一日おきの極端な寒暖・・花粉症もいよいよ本格化。春を感じます・・。 さて。本日は3月3日ぐらいから全国の書店に並ぶ新刊のご紹介です。 こちらです。 村田久さんの『新編 底なし淵』(ヤマケイ文庫/山と渓谷社刊) 岩手県の一関や遠野を中心とした渓流釣りのお話です。 遠野といえば柳田國男さんのの『遠野物語』が思われますが、それにも通ずる・・と言いますか、この『新編 底なし淵』は、渓流で体験した少し不思議なお話が15編綴られています。 ちょうど青空文庫で買った(というか0円ですが)『遠野物語』の電子書籍版をキンドルで読んでいるところだったので、その雰囲気のまま、作品に入っていくことができました。 全編を通して、少し不思議なお話になっているのですが、読んで生ずる思いはこわさ・・ではありませんでした。それはむしろ、郷愁ともいいますか、自然に深く大きな自然に抱かれる安心感・・のようなものでありました。確かなものと不確かなもの、現実と非現実のはざまのような、でもそれこそが自然である気がして。「なるほど・・そんなことが・・でも、あるな。ありうるな。うん、それもある」と。 もしかして読む人によっては、ありえないだろ・・と思う話の連続なのかもしれません。読む人の自然観を浮かび上がらせてくれるような本なのかもしれません。 渓流釣りをする人はもちろん、釣りというものをしたことのない人、釣りに興味のない人も楽しめると思いますのでぜひご覧になってみてください。 序文は著者の釣り仲間でもある夢枕獏さんが書いてます。そして表紙には私の写真を使っていただきました。 ちょっと不思議な抽象画のような、自分でもとても気に入っている写真だったので、この本の雰囲気にぴったりでとてもうれしいです。ちなみに帯を外すとこんな感じ。 収録された一編のタイトルにもなっている「隠れイワナ」がいるんです。〈若林〉□
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