週末、季節と生きものを大きく動かす低気圧が通り過ぎた埼玉南部。気温28℃を記録した昨日、少しだけ川を覗きに行ってみますと、予想通り始まっておりました。というか、すでに1週間ほど前には始まっているという情報は得ていたのですが、私がはじめて観察することができたのが昨日だった、というわけです。 わかりますでしょうか。右側の白い塊。水飛沫です。 そう、今年もコイの産卵である「ハタキ」が始まったのです。 尾ビレなどで水面を叩く(はたく)ようにバシャバシャと体を震わしながら産卵・放精を行うことからこのように名付けられたと言われています。 音も水飛沫もなかなか派手で、土手を歩く人も足を止めるほど。 コイのハタキが始まると、いよいよ春だなーと感じます。 今年は例年通りでしょうか。 川で始まりしばらくすると、事務所前の三面護岸水路、通称「ガタ」でもハタキが始まります。 大雨が降ると水位が上がり、それまで侵入できなかったガタに産卵場を求めて多い時は数百ものコイやフナが入り込んでくるのです。 今発売中の『サカナトVol.2』(SAKANA BOOKS)の連載コラム「川っぷち生きものウォッチング」にも書いていますので、ぜひチェックして近所の川に見に行ってみてください。 春を告げる水しぶき。 「こんなに派手なんだー!」と、きっと驚かれると思います。 心なしか居残ったヒドリガモも引き気味の様子。コイのハタキが始まると、残っていたオオバンやヒドリガモ、コガモたちもいつの間にか姿を消してしまいます。 ニゴイも瀬に出始めました。観察が楽しい季節です。普段は素通りしていた川でも今の時期ならば生きものの気配をたくさん感じられると思います。ぜひ、観察してみてくださいね。〈若林〉□
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