『ミルクの中のイワナ film book』とともに昨年夏からどっぷりと浸っていた一冊、『山釣りJOY 2024 vol.8』(山と溪谷社)が届きました!

釣り人ならば二度見せずにはいられない(?)、水辺写真家・知来要さんの大きなヤマトイワナの水中写真が表紙を飾っています。もう私的には、この表紙だけでご飯が食べられるほど・・。

保存版特集「ヤマトイワナ 釣り人が愛してやまない、深山幽谷の赤い点」の構成・取材・執筆を担当しました。

朱点ーー赤い点が特徴のヤマトイワナとは何者なのか?

過去の文献や科学論文、釣り人の想いなどから多角的に探りました。

なかでも注目してほしいのはこちらです。

「最新の遺伝子解析により浮かび上がったシン・イワナ地図」

今回お話をお聞きした山本祥一郎さんらが昨年発表した科学論文「氷河に覆われた歴史を持たない北太平洋北西部地域におけるイワナの系統地理」をひもときながら、遺伝子解析により新たに明らかになったヤマトイワナの実情に迫ります。

論文は英字で書かれていますので、おそらく今回の記事は、当論文を分かりやすい日本語の文章で紹介する初めての記事になるのではないでしょうか。

釣り人のみならず、魚、淡水魚、生き物の保全活動に興味のある方にもぜひ読んでいただきたい内容です。

このほか、京都大学の佐藤拓哉さんにお聞きした希少魚キリクチの話や、イワナ分類学の大家・大島正満博士の時代から連綿と続くイワナ分類の混沌とした歴史、釣り人がヤマトイワナを見分けるための分類基準、そしてペスカトーレ中西さんにお聞きした釣り人にとってのヤマトイワナなどなど。盛りだくさんです。

巻頭は『山釣りJOY』の持ち味であるリアルドキュメント。私はダイワのフィールドテスターを務める小林将大さんの記事と、腰痛明けにゆっくり登った武甲山のレポートを書いています。

さらに、テクニック特集も担当しています(結構、今号は盛り盛り書いてます)。

特集名は「テンカラ&ルアー 上達効率を最大化する厳選4大テクニック+α」。

4大テクニックとは「アプローチ」「キャスティング」「レンジ攻略」「プランニング」です。この4要素は私が長年、取材をしてきた中で、上手い人はここがしっかりしてるよなーと思っていたことです。今回は平たく網羅型・・というよりも「上達効率の最大化」を求めてキモとなる(であろう)4要素に絞り込んでお話をお聞きしました。さらに+αのテクニックを監修者側からの提案で追加。

テンカラは「テンカラ大王」こと石垣尚男先生。そしてルアーフィッシングはヤマメ釣りの名手・佐藤文紀さん。いずれもとても実用的なお話をお聞きすることができました。お話をお聞きした私は間違いなく上達しています(のはず)ですので、今季の釣りを楽しみにしています。もちろん余すことなく記事に落とし込みましたので、ぜひご活用ください。

そしてモノクロページでは、防災と渓流環境復元の両立を目指した治山ダムの中央部撤去についてレポートしています。

治山ダムや砂防堰堤は渓流魚の生息域を分断する障壁でありながら、同時に、その上流にイワナの原種(天然魚)を隔離して、下流に離された放流魚との交雑を防いできたという側面も持っています。それでもヤマトイワナ特集のキリクチのように、生息域が小さいままでは、そこに残る個体群の未来はあまり明るくないのかもしれません。これはあくまでも私感ですが、今回取材した環境庁・みなかみ町・NGO日本自然保護協会(NACS-J)による「赤谷プロジェクト」の取り組みは、各地の治山ダム上流に隔離されたイワナ原種(天然魚)保全にとっての、大きなヒントになるのではないかと感じています。こちらNACS-Jの関連記事となります。

以上は私が担当したページとなりますが、もちろんこのほかにもたくさんの釣行ドキュメントや知来要さんのイトウのグラフ、ソロテントカタログなどなど、かなりのボリュームとなってます。

ぜひ、書店や釣具店等でお求めいただけると幸いです!

 

【お知らせ】

『ミルクの中のイワナ film book』販売について

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