今日も暑いですね。仕事前に段丘崖の林縁をカメラを持って歩いてきたのですが、曇りだと油断して危うくぐったりするところでした。曇りの日ほど注意が必要だと肝に銘じた午前中でした。 さて。川ミミズについて。 7月中旬にはそれまでのフトスジミミズからヒトツモンミミズに主要な這い出しミミズが移り変わっている印象でしたが、少しずつ数を減らしていき、7月24日にはついに一匹も這い出しを見ることができませんでした。 そこで少し川底の石をひっくり返してみると・・ いました。大型のヒトツモンらしきミミズが3匹固まっていました。 そしてちょっと気になったのがこちら。 私が「マッチョ虹色川ミミズ」と呼んでいる(おそらく)ヘンイセイミミズ。成体です。これは這い出しではなく、石の下にいたものです。面白いことにこのミミズは2〜3月にはこの川で這い出すミミズのメイン種なのですが、6月以降はほとんど這い出しを見ることができなくなります。ですが成体はいるのです。 そして8月2日の観察では、意外なことに3匹のフトスジミミズが這い出しているのを確認しました。 こんな感じ。ですがやはり、7月中旬にメインだったヒトツモンミミズは見当たらず。 掘ってみると、数は減った気がしますがいました。なんとなく動きも鈍っている感じ。 そして「マッチョ虹色川ミミズ」ことヘンイセイミミズ?も掘ると出てきました。 ちなみに2月にはこんな感じで「マッチョ〜」は這い出しています。 あくまでも私の感覚ですが、春先の2〜3月には、数少ないツリミミズ科のサクラミミズとともに、「マッチョ虹色川ミミズ」ことヘンイセイミミズ?が河床への這い出しのメインであり、他のミミズはほぼ見ることができませんでした。 ところが6月末になるとヘンイセイミミズ?の川底這い出しは見られなくなり、代わりにフトスジミミズが這い出しのメインとなります。それを追うように7月になるとヒトツモンミミズが這い出し数を増やし、7月中旬にはメインになりました。 そして7月下旬から8月上旬の今は、ヒトツモンはほぼ見られなくなり、僅かにフトスジが見られるように。ヘンイセイも見られずです。 川底の這い出しを大きく分けると、春はヘンイセイ、夏はフトスジとヒトツモンといったところ。 あれこれ不確かな妄想ばかりではありますが、この季節による偏りはかなりはっきりしていて、彼らが「出る時期に出てくる」ことは確かだと思います。 では、なぜ彼らは河床上に這い出してくるのか。 そしてなぜ彼らは河床上に這い出さなくなるのか。 一年前にも似たようなことを考えていました(過去ブログ【春と夏の川ミミズ】)。そこでは成体やそれに近いぐらいまで育つと移動したがる習性があるのではないか?と書いていますが、今でもその考えに変わりはありません。 そして今、ヒトツモンがほとんど出なくなったのは、移動期を終えて多くは卵を産む場所に落ち着いたから・・なのかもしれません。以前にも書きましたが、移動は卵を産むために良い新天地を探しているためなのでは?と想像しています。 では、それはどこなのか・・? そして産卵はいつ頃なのか・・? この辺りを意識して観察をしていきたいと思っています。「日本産ミミズ大図鑑」にまとめられた記述によると、産卵は9月中旬から10月上旬だそう。他のウェブサイトにはフトスジミミズとヒトツモンミミズは8月から9月にかけてという記述もありました。今は産卵の1カ月前ぐらいです。 それまでに居場所の傾向をつかみたいと思っています。〈若林〉□
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