言葉が魚を釣る自分に共感してくれる。高揚と虚無という釣りの持ち味が浮き彫りにされる。数十年の時を感じないのは本質をついたものだから? それともこの言葉自体が僕らのオリジンだから、なのだろうか? キングサーモンを狙う『アラスカ至上篇』を、映像作品の『河は眠らない』と前後して味わう。(1990年 集英社文庫)