各所に大きな爪痕を残し、台風21号が日本列島を離れつつあります。

先日、ご紹介をした奈良子釣りセンターも被害にあわれてしまったようです。

ポンドエリアでの営業は10月28日(土)からの再開を目指しているとのことですが、渓流エリアの釣りは再開のめどが立っていないとのことです。

 

事務所近くの川もかなりの増水となりました。

真中にある草地が通常の岸辺となりますので、水位もだいぶ上がっています。

こちらはちょうど一週間前の川の様子中央で糸を垂れているのは落ちアユ狙いの釣り人でしょうか。

もちろんすごい増水、そして濁流なのですが、以前、同様の状況になった翌々日に川を覗いてみると、ヌマチチブやスジエビ、ヌマエビの類は、まるで問題なかったように、流れに姿を現していました。

アユは一気に落ちてしまったかもしれませんが、きっと底棲性の彼らには、危険水位に向かう際に避難する場所があるのでしょう。

アユの産みつけた卵は、この状況で、どうなるのだろう・・。

 

10月の台風・・といえば、また気になるのは山間で行われているヤマメやイワナなど渓流魚たちの産卵です。

10~11月はちょうどヤマメ(サクラマス)やイワナが産卵を迎えている時期なんですね。

たとえばこんな川で・・

ひっそりと産卵行動をしています。

彼らは砂礫質の川底を掘って、そこに卵を埋めますから

この時期の大増水&濁流による影響は、小さくはないと思います。

ヤマメなどは産卵を終えると力尽きて死んでしまう個体も多く、それだけ(当たり前の話ですが)人生ならぬ〝魚生〟における一大事のとき。

台風もまた自然。ではありますが・・・

彼らにもまた幸運を。

・・と思いを馳せた、10月の台風でした。□〈若林〉