本日は事務所の掃除を少ししてから五反田へ。

10月29日(日)まで北品川のgallery201で行われている魚譜画家・長嶋祐成さんの個展「uonofu展」を観に行ってきました。

五反田駅から徒歩10分。

現在は石垣島在住で、昨今は原色鮮やかな南方の魚もたくさん描かれていますが、今回は〝魚に見出した「好き」を描く。その原点を改めて見つめました。〟とあるように、スズキやアイナメ、カツオやアジなど、いわゆる身近な海水魚がたくさん展示されています。

長嶋さんが描かれているのは、いわゆる魚の〝肖像〟なのですが、これが実にグッとくるのです。リアルといえばリアル……なのですが、その魚の魅力が配色やちょっとした形にふんだんに乗せられたゆえのリアルとでもいいましょうか。魚好きはもちろんのこと、そんなに普段は生きた魚を見たことがないという人をも引き込んでさかなクンにしてしまうような魅力があります。

スズキ。

アイナメ。

アオリイカ。

いずれもアイフォンの写真ですが、それでも絵の魅力は伝わるかと思います。長嶋さんは、できるだけ魚の生きた姿を実際に目で見て、魅力を掬い取るという手法を用いているため、生きた魚を目にする機会の多い釣り人の皆さんは強い共感を抱かれることでしょう。「うんうん、そうそう、ここがいいんだよ!」なんて思いを抱くはず。

これはアジです。

アジに限らずカツオやマグロ、サバなどお腹が白く銀ピカに光る魚って、そのお腹の色は反射色なんですよね。長嶋さんが描く、その反射色の素晴らしさは、ぜひとも原画を見て体感してほしいところです。

薄い色を何層も何層も重ねて塗っているとのこと。仕上がった絵には、その魚ならではの魅力的な配色がバッチリと決まっています。違和感なく。リアルな魚の魅力として。でもこれを自分で配色を決めて塗っていくという作業の末にできあがったものであると改めて考えると……溜め息が出てしまいます。

 

そんな海の魚たちにまじって、大好きなアマゴも。

そして下はドイツのフライフィッシング総合書である『The Fly Fisher』の挿画。鮮やかなブルックトラウト。

 

もうね。完全に目の保養です。

ものの数分見ていただけなのに、「う~む……」と、なんだか興奮でじんわりと湯だってしまうような感覚でギャラリーを出ました。

湯上りのような身体を、秋の宵の風が心地よく冷ましてくれました。□〈若林〉

 

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