こちら南埼玉は穏やかな午前中ですが、これから次第にぐずついてくる模様。

ならば……と、天気のよいうちに近くの川へ。

川そばに事務所を移転して初めての冬を迎えるこれからの季節、楽しませてもらえそうなのがこちら。

北方から越冬のために飛来するカモたちです。

日を追うごとに増えてきています。

オナガガモ。

ヒドリガモ。はるかシベリアのほうから飛んできたようで。冬の安住の地を得て、のんびりしてる雰囲気。

そしてコガモ。オスが少しずつ色づいてきている時期であるようです。

サケやマスも繁殖期には婚姻色といって、特にオスは派手な色に染まりますが、カモも繁殖期を迎えるにあたってオスの羽が派手なものに生えかわります。いまはそのはしりのシーズン。

これはメス(だと思います)。

そしてこれは、換羽途上のオス(だと・・)。

飛び立つとグリーンの羽がとても美しい(鏡羽、という部分だそうです)。

 

これから少しずつ、派手になっていくオスを楽しみにしております。

 

ちなみに、日本で伴侶を探し、春になると、ともに北の地へと飛び立つのだそう。

そして繁殖、子育てをするのだそうです。

最愛の伴侶とともに故郷へと大空を翔るランデブー飛行は、どんなに素晴らしいことでしょう。

でも…ですよ。日本で伴侶が見つからなかったコガモは、どんな思いでひとり(一羽)故郷へ帰るのか……。「ま、また来年来年……」ぐらいの気持ちなのか。

 

よけいな気の回しはおいときまして、ともあれ、春になればこの川を去るわけです。

そしてまたナマズがやってくる。

田んぼの用水を産卵場所としているナマズが、その用水に繋がるこの流域へと上ってくるのです。

海からはボラの稚魚とマルタが上がってきます。

それに続いてアユの稚魚が上がってきます。

それを食べるためでしょうか。ニゴイやスズキも上ってきます。

深みに隠れているコイやスモールマウスバスが活気づき、ヌマチチブが湧きます。

いまは丸裸となっている川辺の雑草がグングン背丈以上に繁茂して、バッタやチョウが飛び交います。キジが走り、オケラがジーとないて、アマガエルが草の露を舐めるのです。

そして台風の大水で全部なぎ倒され、冬を前に雑草は一面、またきれいに刈られるのでしょう。

そしてわずかに立つ川辺のススキが枯れて揺れる頃、またカモたちがやってきて……。

そんな循環を感じたくて、流れの周辺を行き交う生き物たちを少しずつ知りたくて。

川をもっと知りたくて。

 

で、枯れたススキの影から、スナイパーよろしく片ひざついて長玉を構えていると、ひざ下にヒンヤリといやな感触が……。吐きたての胆汁のような色をしたドス緑色をしたフン溜めに足を突っ込んでました。

ものすごい臭い。誰の落し物? まあ、でも川に親しむという目で見れば、これもまたよし!(なのか?) 〈若林〉□

 

RIVER-WALK First Issue 好評発売中☆