こんばんは。今回は山のクマ対策について少し。

山奥の渓流にひとりで釣りに行く際に、最も気になるのはクマの存在です。

幸いにもいまだ生きたクマにバッタリ出会ったことはないのですが、それは自分なりにクマ対策をしているからなんですね。

いや、してるから・・だと思っていたんです。

 

まずはクマ鈴。

そしていざというときのためにクマスプレー。これは扱い方に気をつけないとトンデモナイことになる(なった)のですが、それはまたいずれ。

 

そして私の場合、自らクマに自分の存在を知らせるために警戒音を発しています。

 

その声はさながら、鹿の警戒する鳴き声のよう。

 

キョッ! キョキョッ! って感じです。

 

もうちょいわかりやすくたとえるとCCB「ロマンティックが止まらない」の長いキッスの~・・の後のそれに近い感じです(たとえがちょっと古いのですが、ご興味がある方はYou Tube等でチェックしてみてください、CCB)

キョッ! キョッ!

 

・・・まあ、ほとんど裏声ですね。

 

ともあれ、なんかいやな感じがするな? 

クマが出そうだな?

なんてときはあ、そのキョッ! キョキョッ!という警戒音を発しながら歩くわけです。

ちなみに時々、入門者の方を渓流釣りに連れていく際は、匍匐前進、岩化け、そしてこの警戒音を必修科目としてご紹介していました。

 

ところが昨年の末に、北海道で野外活動のスペシャリストの方とご一緒する機会があったんです。

男ふたりで、川でテント泊。

「クマの気配がなければ、テント張りましょう」なんて言われて。

北海道といえばヒグマです。

正直、まあまあビビってもいたのですが、最初にクマ鈴とクマスプレーを手渡され「あとは自己責任で」と言われたときは、かなりビビってもいたのですが、なに私とて、ひとりで渓流釣りにはしばしば通う経験者。

 

例によってキョッ!キョキョッ!・・と、いつもよりもやや頻繁に、それでいながら、なぜかやや控えめに、お得意の警戒音を発していたわけです。

 

で、夕方に。

そのスペシャリストの方は、おもむろにクルマからドラム缶を取りだし、川の水を汲んで焚火で沸かし、即席の五右衛門風呂を作ってくれました。

11月の北海道でしたから。そのお風呂が気持ちいいのなんのって・・。

なかなか出られず浸かっていると、そのスペシャリストの方は「夕方の観察」に行くというのです。

もちろん、魚の観察です。

あ、行っちゃうんですね・・。と思った次の瞬間、

 

 

ウーーーウォッホッホッ! ウウウウ~~ウォッホッホゥ~!!

 

みたいな。

 

ちょっと正確ではないかもしれませんが、いずれにせよ、めちゃくちゃデカい。そしてよく通る。野太い声の警戒音を発しながら急ぎ足で川の上流へ消えていきました。

あ、ちょっと待っ!・・・行っちゃった・・。

 

ひとり五右衛門風呂に浸かる私。

裸一貫。唯一持ってる防衛手段といえば・・そ、そうだ。警戒音・・・

 

 

キョッ・・・キョッ・・キョ・・

 

 

図に表せば、こんな心細さですか。

夜の川

 

遠くの闇に光る眼が見えたり・・。

(スペシャリストいわく「あの両目の間隔はキツネです。ヒグマの目はもっと離れてますから」と)

 

結果は何事もなく、こんなイワナにも会えました。

イワナ稚魚

 

 

で、結局何が言いたいのかいうと、

山でクマが怖いのならば、クマ鈴とクマスプレーに加えてよく音の通るホイッスルを持つべきでしょう。

ということなのです。□