編集のお手伝いをさせていただいている海のルアー釣り月刊誌「SALTWATER」3月号の校了(雑誌作りの最終段階)を終えました。いろいろとご協力をいただいた皆さま、ありがとうございます!

 

さて。今回のブログですが、テーマは「釣り人が聞き分ける音」について。

私がよくやっている釣りは、ルアー釣りと言いまして……

seabasslure

これがルアーです。これに針をつけて魚を釣ります。

で、狙う魚は主に「フィッシュイーター」と呼ばれる魚たちです。

フィッシュイーター=「魚を食べる魚」です。

なので上の写真のように、一見小魚に似たルアーを使って魚を釣ろうとします。

ですが、狙っている魚にとってはルアーはエサではなくニセモノですから、冷静なときは、そうそう簡単に食ってはくれないんですね。

一方、冷静じゃないときは、結構簡単に間違えてくれるんです。

 

それはこんなとき。

 

seabass

これ、水面で小魚を追っているシーバス(スズキ)です。代表的なフィッシュイーターで、ルアー釣りの対象魚として非常に人気の高い魚です。小魚は小さなイワシだったりアユだったりコハダだったり・・といろいろです。

 

本物のエサである小魚を追っているときは、その近くにルアーを投げると簡単に食ってくることが多い。シーバスはアツくなっているわけですから。冷静さを欠いているわけですね。

だから釣り人にとって、上図の状態は大チャンスなんです。

もうひとつ、この絵にはポイントがありまして。それは水面であることです。

もちろんシーバスは水面下でも小魚を追って食べているわけですが、それだといくら大チャンスだとしても釣り人は気づきません。水面でジャボッと音を立てながらジョーズのように襲いかかっているから、気づけるし、そこにルアーを投げられるわけです(ちなみに釣りが上手な人は水面下の様子にも気づいたり想像したりして釣っちゃいます)。

ただ、このジュボッは、一瞬の出来事です。なので、音のしたほうを見ても、たいていは水面に波紋が立っているだけです。慣れてないと見逃してしまいます。でも耳を澄ませていれば、ジュボッという音には気づけると思います。気づければ大チャンスですから、ぜひ習得してみてください。

 

で、実は話の本題はここからです。

 

このジュボッには、実はニセモノがあるんです。

つまり、ジュボッという音を聞いて瞬時にルアーを投じたのに、大チャンスでもなんでもなかったという状況ですね。

釣り人としてはムダ撃ちになりますから、それは避けたいわけです。

 

 

正体はコチラ。

 

bora

ジャンプした魚が腹から水面に落っこちて、腹打ちした音です。

 

これ、「ボラ」という魚に多いです。というか、ほとんどボラです。40~50㎝ぐらいある魚なので、ならばこれを釣ればいいではないか?と。そう思う人もいるかもしれませんが、こいつはフィッシュイーターじゃなくてもっと細かいプランクトンなんかを食べてるのでルアーじゃ釣りづらいんです。どちらかというとルアー釣りをする人には避けられている魚です。

水面から勢いよく飛び出したボラが途中で勢いを失って腹打ち。

これがなかなかまぎらわしい音を立てます。

 

ですが、釣りばかりやってその音を聞くことに慣れてくると、ボラの腹打ちがジュボッではなくバチャーンッであることに、5回に3回ぐらいは気づけるようになります。わずかな違いを聞き分けられるようになるんです。

 

そして、近ごろの私ですが、どうやらさらにその先の段階に行き着いたようなんです。

 

それはシュパッの存在です。

 

もう一度、先ほどの図に戻ります。

bora

これ見てAとBってなんなのだ?と思われた方。そうです。Bはバチャーンッであり、Aこそがシュパッなのです。ボラが水中から飛び出すときの音なのです。

 

このシュパッは、結構小さな音なので、よくよく耳を澄まさないと聞こえません。ですがこのシュパッが聞こえるようになると、その瞬間、音のした方を見ればボラが宙に浮いてます。で、その後にバチャーンッと・・。

 

海に行けばボラはたくさん飛んでいますので、ぜひ耳を澄ませてみてくださいね。□