今日は暖かい一日でした。少しずつ、春がきています。 近所の川ではログ・サーモン(マルタウグイ)もちらほらと見えますが、昨年に比べると、遅れているのでしょうか。数はまだまだ揃っていない感じ。 いずれにしても、毎年変わらずやってくる溯上魚には心が揺さぶられます。 これが大昔の鮭のように命をつないでくれる重要な食べ物だとしたら…。 そこに多くの物語が生まれるのも、当然のことなのかもしれません。
週末、会津に行って参りました。 自然と人との間をつなぐ、物語を聞くために。 おぜしかプロジェクトのイベント「~ものがたり~森の 気配にふれ その声を伝える」 版画家であり語り部でもあるアイヌアートプロジェクト代表の結城幸司さんの版画アニメ映画『七五郎沢のキツネ』を観て、語りに耳を傾ける第一部。そして結城さんと奥会津のマタギである猪俣昭夫さんとの対談形式で進められる第二部。MCは自然写真家の二神慎之介さん。会場はつるのIORIカフェ。とても美味しい食事つき。 自然の奥深くに獲物を追うマタギの猪俣さんは、動物と人をつなぐ物語を切実に欲していた。 表現者の結城さんは、自然を生きる動物に、そして人に、物語を通じてつながりを求めたり、呼びかけたりしているように感じた。 立場やアプローチは異なるけれども、ふたりとも、自然と人との間をつなぐ物語をとても大切にしていることがわかった。 話題は後半、オオカミに移った。もう日本にはいないオオカミだ。 いないのだけれども、それでもオオカミは、自然と人との間をつなぐ物語には今もいて、聞き取れる人にはたなびく雲のような遠吠えが聞こえてもいるのだろう。 釣りが好きで動物が好きで自然が好きな私には、自然と人をつなぐ物語が自分の人生をきっと豊かにしてくれるだろうという実感があります。 ただそれは、母なる自然からだいぶ離れてしまった都市生活者が抱くノスタルジーみたいなものでもありまして、もちろんそれはそれで大切にしたいものではあるのですが……。 一方で、いや、でもやっぱりそれだけじゃないんだなというような、(現代において)自然と人をつなぐ物語の持つ、もっと肝心な部分というか、単に私が気づけていない意味、と言いますか。 確かに在るはずの「それ」に対する自分なりの探求をこれからも続けていきたいなと改めて思った良き時間でありました。〈若林〉□
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