台風が消滅し行き場を失った風が四方八方に吹いている。そんな圧を感じた一日。

それにしても騙される暑さですね。何気なく外を歩いていて、涼しい部屋に戻ってきたところで、ぐったりと暑さにやられていることに気づきます。気を付けないと・・。

地味に長く風邪を引き、「考えるRFGの魅力⑦」のまま台風のように行き場を失ってフッ消えた状態になってしまっておりました。

ポツポツ手にした読者の方からのご好評の声もいただいている『考えるロックフィッシュゲーム 佐藤文紀』。今回の魅力はこちらです!

スジアラです。

スジアラ。ご存じでしょうか?

沖縄では「アカジンミーバイ」などとも呼ばれている南方系のハタです。

これがデカいんですね。

一般的にロックフィッシュゲームとして狙う魚は大きくて2㎏ぐらいと相場が決まっているのですが、このスジアラは4~5㎏クラスが狙えてしまうという大型魚なのです。

もっとも、ハタの仲間には2mを超えてくるような超ヘビー級もいますので、どこを「デカい」と言ってよいのかわからないのですが、佐藤文紀さんの実践する「ロックフィッシュゲーム」のくくりのなかでは、現在狙える最大級といって差支えないでしょう。夢の大型魚なのです。

佐藤さんは学生の頃、西表島でアルバイトをしていたことがあり、その頃も1㎏ほどのスジアラを釣っては食べていたとのことですので、ある意味スジアラは思い出深い魚とも言えます。それからロックフィッシュゲームという釣りを多くの人に伝えるプロアングラーとなった佐藤さんは、年を重ねながら、このスジアラを含む「ハタ」という魚の釣りに取り組んで、ここ数年でだいぶ釣り方を確立してきました。

いわば4~5㎏クラスのスジアラが手に届くぐらいの力をつけてきた、というわけです。

そして昨年、始めてこのスジアラを狙う機会に恵まれた佐藤さんは、惨敗を喫します。

ルアーに食ってきても、食わせることができても、獲ることができない。

ルアーを襲うと同時に強烈なパワーで一気に根に突っ走るスジアラは、食わせてからが勝負・・ではなく、食わせる前に、どこで食わせるのか、食わせた瞬間、どのように魚を止めるのか? そしてその後、根に潜られずに引き寄せるにはどのような竿の立て方とリールの巻き方が求められるのか? 

佐藤さんは昨冬、このスジアラを釣るためのシミュレーションばかりしていたとのことです。

そして思いが募って、自身のメーカー「プロズワン」で、スジアラ用のロッドまで作り上げて、そのファーストプロト(最初の試作品)を今回の取材に持ち込んだのです。

時に、隅田水族館で、1時間も水槽を泳ぐスジアラを観察したという佐藤さん。

ノットは遠洋航海に従事する先輩に教えてもらった漁師結び。

 

悪天候にも悩まされ、一時は釣り自体も危ぶまれた今回。

千載一遇のチャンスがやってきます。

まさに〝情熱〟という鍵が開けた奇跡の扉。

単純に大きな魚を釣った、すごい!・・ではないところをぜひ知ってもらいたいです。

魚の大きさは問わず、惚れ込んだ一匹にたどり着いた喜びの記録です。〈若林〉□

 

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