今日も晴れ。列島に等圧線が4~5本という強風でした。

都心に資料の本を買いに行ったり、ご注文いただいた雑誌を届けたりしながら、川散歩。

こちらは昨日の様子。今日も作業中でした。川は相変わらずだくだくのニゴリです。増水時に溜まった土砂を取り除く作業ですが、これが3月中ごろまで続くとのこと。

そろそろコイの乗っ込みが始まり、マルタウグイが遡上するころですから、少し心配です。まあ大丈夫なのだとは思いますが、春の水中撮影は厳しそう。

代わりにセンサーカメラで足跡の主を探したりしています。

タヌキは本当に水辺が好きですね。この足跡の主もセンサーカメラで姿を遠目にとらえたのですが、この季節でもちゅうちょなく水辺にじゃぶじゃぶと入っていきました。

夜な夜な川沿いをパトロールして、何を探しているのだろう。この時期は何を食べているのか‥。

タヌキと同じぐらい?水辺が好きなのがイタチ。増水後は川辺の泥がきれいに洗われますので、新しい足跡を見つけるのがとても楽しいです。

さて。

今日はもうひとつ。センサーカメラでこれまで見たことのないシーンを目撃してしまいました。

それは

こいつと・・

これらの集団狩りです。

20羽ほどのカワウが川幅いっぱいに並び、川をくだりながら小魚(オイカワ?)を下流の浅瀬へと追い詰めます。

そこに飛んで先回りした10羽ほどのサギ類(主にコサギ)が、浅瀬に追いつめられた小魚を食べる・・というものでした。

これまでこの川でカワウが2羽以上で狩りをする様子は見たことがありませんでした。同じ場所で並んで羽根を広げて乾かしている様子はたびたび見ることができますが、潜って狩りをするのは、きまって1羽でした。

写真はこの川で12月に観たボラで、イメージですが、水中ではこんな群れを追い詰めて、一気に食べているのかもしれません。

それにしても、今年はコサギがとても多いのです。

スマホ写真で画質は悪いのですが、今日の夕方の様子。ひとつの木で15羽のコサギが休んでいます。

コサギ‥といえば、もう3年前になりますか。

ひと冬で10例、オオタカなどの猛禽に襲われた痕を見つけたのです。

この川の近くに事務所を移してはじめての冬でしたから、そういうものだと思っていたのですが、あれ以来、一度もコサギの食痕は見つけることができないまま。

一回だけコサギを襲うオオタカを目撃したのですが、それは大きさから、メスの幼鳥でした。オオタカはオスがカラスと同じぐらいでメスはそれよりも大きいと言われてまして、きっとあの年は、あのメスのオオタカ一匹がコサギを襲いまくっていたのではないか‥と、そんなことを考えています。

そして今年は昨日の昼、この冬はじめてオオタカを観ることができました。

距離にしてなんと5mほど!

・・が、残念ながらカメラを持っていませんでした。

目が合ってしばらくすると、食べ始めてまもないカワラバトをしっかりと鉤爪でつかむと、カラスに追われながら縄文時代の陸地である森へと飛んでいきました。

大きさからするとオスかな?と。

食事痕。

この川には他にハヤブサやチョウゲンボウ、ハイタカもいて、このところたまに見つける食痕はハトばかり(年末に一度、メスのキジが襲われていましたが)。

コサギ食いのオオタカがいないもんだから、川にはコサギがたくさんいます。

それはそうと、カワウはオオタカには襲われないんですかね? 

そういや夕方浅瀬で観た30㎝ほどのニゴイは生々しい大きく白い傷が2つついてました。カワウに襲われた痕なのかもしれません。

 

この川に最初にナマズを釣りに来てから、もう15年ほど経ってますが、新しい発見や気付きは尽きることがありません。

深く知ろうとすると、それだけ未知が増えてしまいます。

村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』という本が好きなのですが、そのなかに「百科事典棒」という理論が出てくるんですね。説明すると長くなってしまうので割愛しますが、小さな自然を観察する時、よくそのことを思い出します。

と同時に『SWICH』という雑誌に載っていた池澤夏樹さんのエッセイ「全部を見られるはずがない」に深くうなづくのです。(※今、このエッセイについてネットで何か情報って出てくるのかな?と思って検索してみたら、一番上が過去のRIVER-WALKブログでした‥もう少し詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。「百科事典棒」についてはネットでも調べることができると思います)。

そんなことを思いながら、一歩一歩、自分が楽しめる視点を増やしていきたいなと、あらためて感じた一日でした。〈若林〉□

 

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