今日はまとまった雨。事務所で作業中です。

事務所に入る途中、雨の川を見てきたのですが、キジとクイナを藪地に見ることができました。

クイナなんて日中に見たのは数年前に一度きりだったのですが、先日、いることがわかってみると、意外に気づけるものです。これはつまり、いかに自然の一部しか見ていないか‥ということなんですよね。

ですが、そんな自然の細い細い線をたどっていくと、時におお!というつながりを感じることがあります。

最近ではこちら。

藪地に開いた穴。

穴の下に見える桜の花びらみたいなのは、カタツムリの殻の欠片です。

おそらくこれは野ネズミの掘った穴。

近くには茅をかじった痕もありました。

この川を歩いてもう3年ほどになりますが、それまで全然気になっていなかった穴が、今ではとても気になる存在に。

ひとつ大きく進んだのは、ネズミにかじられた梅の種を見つけてからでした。

その近くの穴にセンサーカメラを仕掛けてみたところ‥。

しっかりとネズミが写っておりました。

カギは穴のそばに落ちている梅の種。

でも、これまでまだ3つしか見つけたことはありません。

まてよ‥。ならば梅の木がある近くを探せばあるのではないか?

そうやって探しても見ましたが、やはり見つかりません。

そうしているうちに、半ば朽ちた梅の木の近くにタヌキの溜めフンを見つけたのです。

お目ヨゴシすみません‥。

せっかくだから、タヌキが来るのを確認したいと思い、センサーカメラを仕掛けてみると‥。

そこで見つけたのは、やはり野ネズミでした。

そして思いもかけないことに、野ネズミはタヌキのフンから植物の種を探して食べているようでした。

タヌキは柿やセンダン、ギンナンなどを食べますが、種は消化せずにフンと一緒に排泄します。

そして排泄された実の種は、フンの栄養分も利用して?芽を出し成長します。

これを「動物散布」と呼ぶそうで、リスがクルミを運んで土の中に埋める行動が有名ですよね。

で、おそらくタヌキが食べた実の種は、まんまと排泄されて溜めフンから芽を出そうとしていたんだと思うのですが、そこを野ネズミに食べられてしまうという‥。

逆に、野ネズミにしてみたら、タヌキはフンを一カ所に溜める性質がありますので、同じ場所でどんどん新たな食べ物にありつける、というわけです。

ネズミの食べ痕です。

日中はアオジもフンをつついてました。

 

ところで。

話を穴に戻しますと、ネズミらしき穴の他に、もうひとつ気になる穴があったんです。

それがこちら。

開口部の大きさは500円玉が入るぐらい。

ネズミらしき穴とほぼ同じサイズですが、湿った所にあり、穴の中には水が溜まっていたりもします。果たしてネズミはこんなびしょびしょの場所に通路となる穴を掘るものなのだろうかと…。

そんな折、生き物に詳しい方とやりとりをしていたところ、それはどうやらアメリカザリガニの巣穴だろうと。ネットで調べてみると、おお、まさにそうなんだろうと…。

こんな感じに開いているのですが、アメザリならこのびしょびしょの湿地帯を掘ることもうなづける話です(いずれ本当にアメザリなのかは確認をしたいと思っております)。

ザリガニと言えば、田んぼや川横の用水路にもおりまして、時折こんなフンが落ちてます。

ばらしてみると、ザリガニだろうとわかります。

これはおそらくイタチのフン。イタチは用水路の泥をほじくったりしてザリガニを食べているようなのです。

つい先日、撮影した用水の小型ザリガニ。こんなのがイタチやサギたちのエサになっているんですね。

ですが、それでも気になる穴があります。

ここまで派手に穴開けるかなー。

 

足と比べるとこんな感じ。さすがにデカすぎやしないか‥?

そんなことを思いながら回収したタヌキの溜めフン場のセンサーカメラ(タヌキがフンをしてる姿を撮影したかったのです‥)を後に確認してみますと‥。

なんといきなりアライグマ!

これには驚きました‥。アライグマの足跡はいくつも確認しておりましたが、川側で実際に姿をとらえたのは初めてのこと。鼻がとても印象的です。

‥と、いうことは‥。

あの大きな穴は、アライグマの掘ったものなのかもしれません。

ザリガニを捕ろうと掘ったのかも‥。

穴をたどってたどって、思わぬ遭遇を果たすことができました。〈若林〉□

 

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