今日は晴れ。とてもよい天気の一日になりそうですが、一日中、事務所作業。 昨晩は我が埼玉県含め、7都府県に緊急事態宣言が発令されました。 海外の先例を見ていると、正直なところこの先がとても怖いです。キャッチする情報と解釈のしかたによって人々の間で危機意識や行動に大きなギャップが生まれる点も、怖いですね。事実として怖い。でも仕方ありません。 人目もはばからず濃厚接触‥ おっととと…、いやオマエ、呑みすぎだよ‥ うぇーい、も一軒行くぞーっ‥ こんなふうに都心の街角へ消えていける日をまた心待ちにしております。 さて。 本日は、最近気になっているこちらについて(※お目ヨゴシの危険ありです)。 手前の黒いかたまり。タヌキの溜めフンです。 「溜めグソ」などとも言われていますが、私はどちらかといえば上品に聞こえる「溜めフン」という呼び方が好きです。 溜めフンはタヌキの面白い習性で、ある同じ場所に数匹がフンをするそうです。いわば公衆トイレのようなもの? 一匹のタヌキは、いくつかの溜めフン場を利用してるとのこと。行動圏内にいくつか決めているトイレがあるということです。 数匹が同じ場所でフンをする。人間の公衆トイレの場合は、衛生上と言いますか、決まったところで行って、それをまとめて処理することで、目につかなくすることが目的かと思いますが・・・。では、タヌキは何のために溜めフンをしているのでしょうか? 一説によれば、それは情報交換、つまりコミュニケーションの手段だと言うのです。 タヌキは用を足す前に、先に落とされていたフンの匂いを嗅いだりしてチェックするのだそうです。それにより、仲間の健康状態や、現在の食べ物などを知るのだとか‥。 すごいですよね。 きっと最後にここに来た時期なんかもわかりますよね。 待ち合わせに遅れてしまったタヌキは痺れを切らして先に去ってしまった相手のいらだちや待たせてしまった時間などもフンの状態で知るのでしょうか‥。「この飛び散りよう‥かなりフン慨しているようだ」とか‥ フンは植物の種子散布にも役立っているようです。 これはフンに混じっていたセンダンの実。 で、ちょっと最近、とある所に溜めフン場を見つけたんですね(過去ブログにはちょこちょこ書いてます)。 藪地にある、イバラが盛り上がってドーム状になった、通称「イバラドーム」です。 このドーム内部が、タヌキたちの溜めフン場になっていたのです(お目ヨゴシ‥)。 少しの間、センサーカメラなども仕掛けたりして調べていましたら、いろいろな動物がこのイバラドームを利用していることがわかりました。 日中はツグミとか アオジなど主に鳥たちが。 そして夜になるとアカネズミが盛んにドーム内で何かを食べています。 ネズミの食べ残し on 溜めフン(すみません、お目ヨゴシかそうでないかの判断が麻痺しております‥)。 そして先日はアライグマも。 鳥もケモノも目的は、何かを食べに来ているようでした。 そしてアカネズミはどうやらタヌキが落としたフンにより散布された種子も食べているようでした。 数日の間にいろいろな動物がこの溜めフン in イバラドームを利用していることがわかりましたが、肝心のタヌキは現れずじまい。 ‥でしたが、つい先日、ようやく映りました。 一匹目。 そして17時間後に二匹目。 ともにしっかりとフンをしておりまして、二匹目は終わった後に「にゃー」と猫のように一鳴きして去って行きました。 同じタヌキなのか別のタヌキなのかは定かでありませんが、とりあえず今でも利用していることがわかりました。 ところで‥ 同じ場所にフンを積み重ねるという行為。タヌキにとっては仲間同士のコミュニケーションなのかもしれませんが、その場の植物にとっては土壌の栄養価が高まり、アカネズミにとってはフンに混じった種子が食物になり、もしかするとネズミを狙ってイタチやアライグマがやってくることにも繋がっているのかもしれません。 「Salmon make a forest」(サケが森を作る) という教えがあります。サケは生涯の最後に海から川を上って産卵をし、そこで息絶えた後は森の生き物たちの食物となり、その土地の養分になり、それが森をつくる‥ということわざです。 タヌキの溜めフンも、そんな何か特別な植生や生態系が作られるきっかけになっているのではないでしょうか。イバラドームという暗く閉ざされた空間にタヌキが栄養を運んでくることによって形成される小さくユニークなビオトープのような生態系が存在しているのではないか‥? そんなことを思い、ひとり散歩がてらの溜めフン観察を続けていきたいと思っております。□〈若林〉
★RIVER-WALK Vol.1~Vol.3発売中です!★
|