今日も良い天気の一日でした。

例によって出勤前の川観察。

カラスが突いているので何かと思いきや、マルタウグイの亡骸。

先週あたりで「ログ・サーモン」ことマルタウグイの、この川での産卵は大部分終わってしまったもよう。

そしてこの魚も・・

 

ニゴイのメスです。

産卵後なのでしょうか。トロ場の下流側でフラフラしながら底をよわよわしくスパスパやっておりました。

こんなメスのニゴイが産卵適地ではなさそうな場所に3~4匹。

なんとなく‥ですが、ニゴイの産卵も終盤のようです。

この春の観察で、ニゴイの産卵行動が、意外にもサケマスに似ているな・・と思ったことについては、過去ブログに書きました。(【ニゴイはやっぱサーモン】参照してください)

 ですが、産卵場所について言えば、サケマス(ここでは例えばサクラマス)なんかは、淵から瀬に移行する「淵尻」で産卵を行うことが多いのですが、ニゴイの場合は「瀬の始まりあたり」での産卵行動が多く見られた気がします。もちろん、この川のわずかな観察によるものですので、さまざまなバリエーションの中のほんの一例ですが、産卵床を掘るサケマスとはやはり利用する場所の条件は違うのだろうな・・と。

で、あくまでもざっくり観察による産卵場所のイメージですが・・。

こんな感じ?

赤い丸の部分が卵を産んでいる所で、赤い→は河床に浸透する水の流れをイメージしています。

マルタウグイよりももう少し流れが緩んだ下流側の瀬で、産卵を意識しているようなニゴイを観察できた気がします。

水温の高いこの川にはサクラマス(ヤマメ)はいませんし、いたとしても砂やシルトの割合が多いので、渓流でよく見られるような淵尻で産卵をするのかはわかりませんが、どちらも河床に卵を産み落とすタイプですから、産み落とされた卵には酸素を含んだ水が行き届く必要があるかと思います。

淵尻に産卵するサクラマスは、メスが河床を掘り起こして産卵床を作ります。細かい砂やシルトを洗い流して露出させた石と石の隙間に卵を産み落とし、その後はさらに上流側を掘ることで砂や砂利を卵を産んだ場所にかけて埋めます。

一方のニゴイは、なんとなく産卵場所となる河床のコケが少なくなっている気もするので、なんらかのクリーニングをしているのかもしれませんが、産卵床を掘るようなことはないようです。

サケマスの場合は、産卵床という「くぼみ」で産卵・放精を行うため、卵や精子はさほど流されずに川底に収まりますが、ニゴイとかマルタウグイとかって、あんなに速い瀬の中で、卵も精子も一瞬で流されてしまうような気もするのですが・・どうなっているのでしょう・・。

ちなみにニゴイはマルタウグイよりも少し後方、流れが少し緩んだあたりを産卵場所として利用しているようでした。

ちなみにちなみに・・サケマスの場合は水面上からおどかしてしまうと上流の淵の深みに逃げ込むことが多いように思えますが、ニゴイやマルタウグイの場合は下流にある深みに逃げていくことが多いように見えました(※ぐにゃぐにゃに描いた矢印は避難から復帰までのルートイメージです)。

さて。川ではマルタとニゴイの産卵は終わりに向かっておりますが、このところグングン遡上をはじめている魚たちがおります。ハク(1~2㎝ほどのボラの稚魚)、イナッコ(10~25㎝ほどのボラの若魚)、川底では推定ヌマチチブ。そして本日も気配を感じたのがアユです。大きさがわかるまでは観察できておりませんが、時折水面でぴちょっと跳ねたり、水中でキラキラと時折ヒラを打ちます。

そしてそのキラキラを眺めていると・・矢のように一直線に斜めに飛んできたカワセミがジュボッと水面に突き刺さり、おそらくアユを捕らえて飛び去っていきました。〈若林〉□

 

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