本日は晴れ。昨日に引き続き、空気は涼しく日差しは熱い一日でした。 事務所の机の前に座る前後に川と潟へ。 このところ気になっておりますニゴイとナマズの観察です。 ニゴイ通信とナマズ通信でございます。 予習は(お時間のたくさんある方は)どうぞ過去ブログをご参照ください。 本日は急ぎ文章のみのお伝えになりますが、一枚だけニゴイのフォトを。ニゴイの追星って、剃り残したヒゲみたいですよね。 さて。 まずニゴイですが、ポツポツと観察しているうちに、なんとなく産卵に至るまでのイメージがつかめてきたように思います。いえ、思い違いかもしれませんが、ほんの少しだけ‥。 まず、事実として、本日はこんなことがありました。 運よく雌雄のペアに遭遇することができまして、観ておりましたところ、これまた運よく産卵・放精に至りました。見つけてすぐにさっとその瞬間が訪れてしまったので、そこに至る行動はあまり観察できなかったのですが・・。 見どころはこの後。 1尾のメスが続けざまに(30分ほど空けて)産卵をする様子を観察したことがありましたので、これはチャンスと思い、水中カメラを仕掛けようと思いました。 ですが、すでに真黒なオスは姿を消し、メスも対岸の岸際のエグレに身をひそめてしまったようです。これまでの観察から、産卵・放精を終えると、オスはしばしばどこかにいなくなってしまい、メスはそのあたりで身を休める傾向があるように思えます。 もっとも大型のオスがナワバリを維持したまま、二匹目のメスを招き入れて「追い越し」の求愛行動を取ったこともありました。一方、オスがいなくなった隙に、その場に残ったメスに、小さなオスがやってきて求愛行動を取り始めたケースもありました(すぐにナワバリオスが戻ってきて、小型オスは追い払われました)。 今回の場合も、小型のオスが、いましがた産卵・放精をした場所のすぐ近くに陣取り、盛んにそわそわとその場所にこだわって定位をしたので、「これはすぐに二度目の産卵が訪れるかも・・」と思い、カメラをその小型オスが固執した場所の前にトプンと沈めたのです。 カメラセットで一時、小型オスは対岸に逃げてしまいましたが、5分もするとカメラの前に戻ってきました。ここらへんのあんばいは、なんとなく勘が働くようになってきましたが、その場所への執着度合いによるような気がします。小型オスはその後も、カメラ前のその場所で、盛んに尾ビレの下端を砂利底にこすり付けて、なにか具合を探っているようでした。そこの砂利をもぐもぐするような行動も見せずに、盛んにその場所を探っている感じです。 そのうちにメスが対岸のエグレから少し出てきました。それを機に、小型オスはカメラ前のポジションに定位しつつ、時折、メスの方に泳いでいって、なにやら誘いかけるように寄り添い、また戻る・・という行動を繰り返したのです。 勝手な想像になりますが、メスを自分のナワバリに誘っているようなしぐさでした。でもメスはほぼ無反応・・。 それでも何度か誘っているうちに、何がきっかけだったのかは不明ですが、小型オスが突然、下流に向かって泳ぎ去っていってしまったのです。 もしかするとメスに追い払われたのかもしれませんし、他のオスを追い掛けていったのかもしれません。驚いて、というよりも意志を持って下流に泳いで行ったように見えましたが定かではありません。 しばらくの間、空になった小型オスのナワバリと、そこから1mほど離れた位置にメスが定位する位置関係が続きました。 沈黙を破ったのは、下流から小型オスが上ってきたタイミングでした。これも定かではないのですが、小型オスとともに、おそらくこの前に産卵・放精にいたった大型の黒いオスがやってきました。違うオスかもしれませんが、黒くて大型です。小型オスは追われているように見えました。 大型で黒いオスはメスに気づくと、よりそいをはじめ、盛んに追い越そうとする求愛行動を取り始めました。 するとメスもそれに応じて上流側に行ったり下流側に押し戻したりと、社交的?行動を取り始めたのです。 おおよそ上下流3mぐらいの楕円をダンスするように行ったり来たりするメスと大型で黒いオス。小型オスはどこかに行ってしまったようです。そしてダンスの中央にはカメラ。さあどうなる? なんとメスと大型で黒いオスは、カメラの真後ろにきれいに横並びとなり、プルプルと体を震わせて産卵・放精に至ったのです。 ダンスを初めてから1分ぐらいの出来事でした。 あんなに小型オスが誘いをかけていた時には微動だにしなかったのに‥。 おそらくメスはオスを選んでいるのでは・・。 そんな仮説が立ち上がりました。 あと、メスがあとどれぐらいで産卵に至るのか‥。それによってオスメスの行動様式が変わってくる、そんな印象を受けました。 以上、本日のニゴイ通信でありました。
さて。 続いて本日のナマズ通信も書き留めておきます。 昨日、潟の上流側と下流側で、ナマズの産卵行動を観察することができました。行動の内容は、追尾と地面に身体をぐねんとさせる動き。産卵・放精の瞬間を見ることはできませんでしたが、間違いなく産卵を意識した行動かと思います。 現在、潟の途中には「なめ滝」が出来ておりまして、平水時でもなめ滝の上流側は15㎝ほどの水深があり、増水時に川から上ってきたコイやナマズは、平水に戻ってもそのまま居残ることができます。 ですが勢いなめ滝を下ってしまいますと、そこは水深5㎝にも満たない潟地獄。本日は2~3匹のコイがスタックして動けなくなっておりました。 なめ滝上流の「溜まり」とは別に、下流では雨による増水を問わず、大潮の満潮になると潟の入口がOPENします。「潟OPEN」です。 いったい何がOPENで、何がCLOSEなのかと言いますと、潟の最下流はこんな感じなんですね。 段差があり、しかも段上は平水時の水深2㎝ほど。 ところが大潮の満潮になると、川の水位が上がるためか、潟にも川から水が押し寄せ、下流域が水深12㎝ほどになり、ある程度まで上っていくことができるようになるのです。 昨日は、コイに加えてナマズも数匹上っており、追尾行動も見ることができました。 そして本日も大潮でしたので、満潮効果を楽しみにしていたのですが・・。 結果はナマズ来ず! コイは数匹上っていましたが、なめ滝上流の溜まりにも、潟OPENした下流域にもナマズの姿を観ることはできませんでした。 一昨日の夜は雷がかなり鳴ってまとまった雨が降りましたから、その影響による増水がトリガーとなってなめ滝上流に上ったナマズと、その余波を感じて大潮の満潮(17時過ぎぐらい)で下流域に上ったナマズが産卵行動を行ったようです。 現時点での仮説。 ナマズが潟に上るには、ある程度上流からの流量が必要なのではないか・・。 待ち望むべくは雨、でございます。 以上、本日のナマズ通信でありました。 ちなみに本日、オケラはほとんど鳴いておりませんでした。〈若林〉□
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