本日もとても熱い一日。青空と白い雲。

事務所の冷房は16℃‥。

さて。

このところ気になっております水生ミミズについて。

そのいきさつは過去ブログをご参照いただきたいのですが、今日も朝方、短い時間ではありますが観察を重ねてまいりました。

砂利底に棲んでいるマッチョ虹色水生ミミズは、どうやら砂と小石の間の層を生活圏にしていそうなことは、前回のブログ【底砂利の世界】で書かせていただいたとおりですが、これにより、以前にカラスが浅い水辺の底砂利を突いて水生ミミズをとっていた方法の目星を付けることができました。

過去に一度だけ観察できたカラスの底砂利突きの際、望遠レンズを持っていなかったため、いったいカラスはどのように水生ミミズを見つけているのかがわからなかったんです。

そこで次のような仮説を立てました。

①水生ミミズが砂利から出てきて動き回っているのをついばんでいる。

②水生ミミズの巣穴や、そこから少しだけ飛び出したりしているミミズを見つけてついばんでいる。

③カラスにはわかる水生ミミズのいる痕跡がある。

ですが先日、水生ミミズの生息層を知ることによって、気づいていなかった四番目の仮説こそが、事実なのではないか?‥という強い気持ちを抱いておりました。

それは・・

④石をひっくり返してミミズを探している、というものです。

 

本日はミミズを掘るまでの時間的余裕はなく、望遠レンズを持ってカラスがいたらいいなー‥ぐらいな感じで歩いていたのです。

するとこのようなトロ場から瀬頭につながる浅瀬にて、カラスの姿が一羽ありました。水に入っていこうとしています。慌てて駆け寄りレンズを構えたのですが、こちらの興奮が伝わったのでしょう。警戒心を抱かれて飛び立ってしまいました。上写真は飛び立った後です。ちなみにここはニゴイの産卵場にしてシジミと水生ミミズの生息場でもある浅瀬です。

千載一遇のチャンスを逃した!……と思いながら、さらに下流の、以前に二羽のカラスが水生ミミズをついばんでいた浅瀬へと向かって歩いていきます。

ところで‥カラス(主にハシボソガラス)は普段、どのようなものを食べているのでしょうか? 

カラスと言えばハシブトガラスはゴミ袋を漁るような印象しか私にはありませんが、ハシボソガラスが川の周辺で何かを食べている様子は何回か目撃しています。

ヒキガエル(3月1日、川と田んぼの間にて)。冬眠から覚めたばかりのカエルでしょうか。

ニゴイ(3月8日、川原にて)。産卵後の弱ったやつかと思われます。

オニグルミの実(3月26日、川辺にて)。高い所から落として割ろうとしています。車に轢かせたりするのも有名ですね。

モグラ(4月16日、川横にある休耕田にて)。モグラは素早く逃げ回っていましたが、突かれて最後には動かなくなりました。

マルタウグイ(4月30日、川原にて)。産卵を終え力尽きたログ・サーモン。

ミミズ(5月25日、川横の田んぼにて)。田んぼに水を張るタイミングに、土の中から出てくるミミズを狙っているような食べ方でした。

そしてこちらは先日、川原で見つけたペリット。

川辺の石の上にありました。

大きさはこれぐらい。

甲虫とさくらんぼのタネか?

おそらく甲虫は一匹、桜の種子は5粒。

甲虫はコガネムシと思われます。ペリットの大きさと雑食性を考えると、これもカラスではないだろうかと‥。

カラスの食性についての情報はまだほとんど入れていないため、雑食であろうことぐらいしか知らないのですが、季節に応じて食べやすいものを選んで食べているのではないかと考えられます。

話を今朝に戻します。

千載一遇のチャンスを逃して肩を落としながら下流の水生ミミズ場所へ向かってみると、手前の土手にカラスが一羽おりまして、なにかをついばんでいる模様。ですが観察する前に飛び立ってしまい、対岸の桜の木に。

サクランボを食べている様子を観察することができました。

では帰るか‥と思っていたところ、このカラスがヒラヒラと川辺に舞い降りたではありませんか!

そして・・

水中の砂利底をついばみはじめたー!!

小石をつまんで運びます。

より浅い所に運んでいるのだろうか・・。

そして石についた何かを食べています。

続いてうれしい観察が・・。

クチバシを差し入れて・・

石をひっくり返す!

間違いありません。カラスは川の底砂利の小石をクチバシでていねいにひっくり返していたのです。しかも思ったよりも、かなり繊細。小さな石をちょこちょことひっくり返しています。

こんな大きな石をくわえて運ぶことも。

よく見てみると、これは石についた黒川虫(ヒゲナガカワトビケラの幼虫)がお目当てのよう。

こいつですね。

岸際に生えた草の根もひっくり返しています。何がいるのか、今度調べてみよう・・。

めちゃくちゃ小さな何かをついばんでいる様子。

すると、もう一羽やってきました。おそらく前回見たのと同じ二羽。ハシボソガラスなのに頭は盛りあがってます。若いカラスのような雰囲気。

またしても何かをゲット。

黒川虫の巣です。

足で押さえて器用につまみ出していました。

川辺での底砂利つつきは3分の間ほど続きましたが、ミミズをついばむ様子は今回は観察することができませんでした。どちらかというと、主目的は黒川虫なのかもしれません。

飛び立って、近くの電燈に留まった二羽。毛づくろいしてますね。

若い兄弟なのでしょうか?・・。

今後もしばし、意識して観察してみたいと思います。〈若林〉□

 

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