今日は晴れのち曇り。埼玉南部は梅雨の合間の良い天気‥といったところでしょうか。

さて。本日は事務所作業でありますが、その前にルーティンの水生ミミズ掘りへ(※センシティブな画像ありでございます・・)。

このところ気になっておりますヤナギタデの生えている水辺へ。

ここはエリアで言いますとニゴイの産卵場となりまして、水生ミミズはこれまで「マッチョ虹色水生ミミズ」と「オレンジハチマキ水生ミミズ」を見つけている場所です。つまり、どちらかというと瀬が開けていて「急流性」のミミズが棲んでいるような環境。

ですが、このヤナギタデは「富山ブラック水生シマミミズ」と相性が良いと思わしき植物。その近辺に絞って優しくていねいに掘っていきます。

すると、子どもではありますが「富山ブラック水生シマミミズ」が出てきたではありませんか! 写真を撮ろうとしたらポトリと落としてしまい、いなくなってしまいましたが、この場所では初めての富山ブラック。やはり狙いを絞りこむことで、ある程度探す種類を定めていくことができるのかもしれません。

ヤナギタデ(右)はタマガヤツリ(中央)と仲良し。よく隣り合って生えています。事務所前の三面護岸水路、通称「ガタ」でもこのふたつはたくさん生えています。シジミは(きっと)おりませんが‥。

底質はこんな感じ。このすぐ近くにはシジミもいます。

ヤナギタデは花をつけてました。

・・というか、本当にこれってヤナギタデなのだろうか?

ヤナギタデだとしたら、葉には辛みがあると言い、それはアユのから揚げを食べる際の薬味に向いているのだとか‥。

試しに一枚とって少し嚙み嚙み・・う!

めっちゃ辛い! 舌を刺す辛さです。表現すればピリピリなのですが、そんなに優しいものではなく、でもビリビリ‥というとニュアンスが違います。あくまでもピリピリなのですが、舌を指す刺激のトゲが鋭く長い感じ。控え目にしておいてよかった・・。

場所移動の途中で、土手にハシボソガラスがおりました。

カラスがそこにいるということは、なにかがある、ということです。

 

最初の場所でなにかをついばみ、少し移動して、またなにかをついばんでいました。

脚も使ってますね。望遠レンズがないのが残念・・。

なにかをくわえて上がってきました。白い実のようなもの。

そして対岸の川辺へと飛び去っていきました。

最初のところを見ると、干からびたヒキガエル。すぐ近くにもう一匹、死骸がありました。

そして白い実のようなものをくわえた場所に行ってみると、なにかの芽が掘り起こされてました。

こんな感じ。豆の仲間っぽくも見えるし・・なんだろう?

カラスがくわえていたのは、なんだかピーナッツみたいに見えたんですね。それで事務所に戻ってから「落花生」と検索してみると、そのとおりでした。

これ、落花生の芽のようなのです。

カラスはこのタネの部分をほじくって持って行ったのでしょう。

それにしてもカラスは、この芽の下にピーナッツがあると知っているのでしょうか? 水生ミミズをついばんだ時にも思いましたが、ある程度、なんかの能力によって、いる場所がわかる仕組みがあるのではないか‥なんてことを思ってしまいました。

対岸では盛んに浅瀬の石をひっくり返していました。おそらくはトビケラの幼虫を食べていたのでしょう。

遠目には子連れのカルガモも。

ヤナギタデの群生。下の方にあるヒルガオみたいなのはなんだろう‥。

名前を知ったり辛さを知ったりすると、それまでただの雑草だった植物が、なんとなく身近に感じます。

 

ここでは「くるんくるん水生ミミズ」のみ。

倒れたヤナギがつくった小さな中洲。富山ブラックが棲んでいる場所ですが、ここは2~3個石をひっくり返しただけでスルー。

新しいタマちゃん場。タマガヤツリの場所は水生ミミズには少しだけ泥っぽいのかもしれません。

 

そして帰りがけにいつもの分流、通称「畑」へ。

ここでもガシガシ掘ることはいたしません。

目ぼしい所をピンポイントで石を一枚ずつはがしていく感じ。積んだ将棋の駒を崩さずに外していくゲームのような感覚?

すると出てきました。これは「マッチョ虹色水生ミミズ」ではなく、「水生ドバミミズ」のほうでしょう。

気付かれて少し潜られる。尻尾が鈍い虹色で美しい。

そっと、そーっと石を剥がしていくと、全貌が見えてきました。鈍く光る虹色が美しい‥。

うーむ‥。

ちょっとこの頃、思っていることなのですが‥。

水生ミミズってそももガシガシ掘ればいい、というわけじゃないんですね。

驚くとものすごい速さで小石と砂の間の層を横移動して逃げていってしまいますので、そもそもできるだけそーっと石を避けていったほうが、見つけやすいと思うんです。

そして、ガシガシ掘らない方がいいのは、見つけやすいという利点だけではなく、そっと掘った方が、結果として彼らが普段棲んでいる様子がわかりやすいからなんです。

そしてもうひとつ、このミミズがそうであったように・・

そのほうが「輝くミミズはより輝く」のではないかと思っています。

これ、引っ張り出した状態です。これでも薄っすらと光ってはおりますが、なんとなく足りない気がするんですよね。

水生ミミズの虹色の輝きって、体の表面の艶のようなものだと思うんです。

マッチョなボディビルダーがテカテカの胸筋や上腕二頭筋を見せつけるように、水生ミミズの虹色も、グッと張っていたほうが輝くのではないかと思うんですね。

できるだけ通常の生活の状態のほうが、体もグッと張っていて、輝きも増すのではないか?‥

そんなことを考えているのです。

輝かしきミミズは輝かしいままに掘りだしてやりたい。

それが「掘り師」たるものの矜持なのではないかと‥かと‥かと‥かと‥‥。

〈若林〉□

 

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