梅雨がなかなか明けませんね・・。 こちら埼玉南部、歩いているだけで手のひらに湿気がにじんでくるほどです。一方、事務所の中はパソコンを冷やすためにガンガンに冷房を入れておりまして非常に寒いのです。 夏が来れば来たで、昨年は冷房をガンガンに効かせても負けてしまうため、徒歩30分のカフェへの移動を余儀なくされるわけですが・・今年はいろいろあるから野外での仕事スタイルも模索せねば・・(車中だな・・)。 そんなさなか、釣りになかなか行けない悶々を川ミミズ観察にぶつけております。(※今回もセンシティブなミミズティブな画像が続きます。お気を付けください・・) どこにでもある、こんな護岸が両面にせり出している二面護岸河川。砂利底で透明度の高い水が薄く流れ、河原はわずか。 この川、なぜか川ミミズがめちゃんこいるんです。 そして護岸が湿った日の夜には、おそらく川底から這い出して、護岸に生えているコケを食べているのだろうと・・そんな仮説を立ててみたわけです。 昨日の日中。 雨で護岸は湿っておりましたが、それでもミミズはほとんど護岸に姿を現しません。一匹だけフトミミズ系の細めのやつが水際でジッとしておりました。 この日、目立ったのは水中の石にしがみついて踏ん張るヤスデ。ヤスデも水中大丈夫なんかい・・。 ヤスデは気持ち悪いから、スルー・・ということで。 少し右岸の石を掘りかえしてみると、ご覧の通りにシマミミズが出てきました。日中は石と砂の間の砂側に潜っているようです。 ところでこちらは川に向かう途中に道路でクロヤマアリに食べられていたミミズ。移動途中で行き倒れてしまう「あるある」の風景です。「雨が降ると苦しくなって土から出てくる」なんて説もありますが、どうなんでしょうね‥。 そして合間にひと仕事を済ませ、日が暮れる間際にまた川へ。 夕方6時より、気合の2時間歩きっぱなし観察です。 ちなみに夕方6時はまだ残照が残る時間。天気は時折ポツポツの雨。まだミミズの姿はありませんが、護岸は湿っていますから、きっと出てくるはずです。50mぐらいの区間を右岸→左岸→右岸→左岸‥とぐるぐる回りながらの観察です。 まず出てきたのはフトミミズ系の富山ブラック風。護岸の隙間から顔をのぞかせました。 続けてフトミミズ系のぶっといミミズ。「だうどん系」と心の中では読んでおりますが、あまり食べ物に例えるのはよろしくないですよね・・。やはり護岸の隙間から出てきた模様。そしてコケを食んでいます。 少しずつぶっといミミズが姿を現します。ただ、いずれも護岸の隙間から出てきた模様。 コケが大好きなんです。 ポトンと護岸から落ちたぶっといミミズが少し下流へと進んでまた登り始めました。 水中は水中ですいすいと進むんですよ。 少しずつ護岸の隙間から顔をだすぶっといミミズが増えていきます。 よくよく見ると、確かにコケを口の中に吸い込んではいるのですが、なにかをしごいて食べているような感じ。コケの葉っぱは吐きだします。コケについた土だったり懸濁物?だったりをこしとって食べているのでしょうか。 一心不乱に食べています。やはり護岸が湿った夜に護岸に這い出してくるミミズの目的は摂餌に見えます。 そして時刻は7時を過ぎ、あたりが真っ暗になってくると・・フトミミズ系に加えてツリミミズ系のミミズたちが這い出てきます。 その代表格がこちら。 おそらくシマミミズ。釣り餌として重宝される「きじ」ですね。 これも水の中からというよりは護岸の隙間から這い出してくる感じ。 ヤスデもおりました(水中)。 ちなみにツリミミズ系のミミズはフトミミズ系のミミズに比べて、圧倒的に光への反応が敏感です。ライトを照らすとすぐにまぶしがって?護岸の隙間に潜りこんでしまいます。ぶっといミミズのほうは比較的鈍感なようで、しばらく光を当てていても、かまわずコケを食んでいます。
今回の観察で、ひとつ「どうなんだろうなー?」と思うことがありました。 果たして日中、川底の中にいるミミズは、夜になると護岸を這いあがってくるのだろうか?・・という疑問が出てきたのです。 川を泳いでいる瞬間は見たことがあります。川から護岸に張りついて登ろうとするミミズも見たことがあります。でも、それが川底から出てくるところは、まだ観察できてません。 これだけのミミズが川底にいるのに、なぜ夜になってもそいつらが出てくる瞬間を観察できないのだろう・・。 もちろん、観察が足りないからかもしれません。 ただその割に、護岸の隙間から出てくる姿はたくさん観察できています。 もしかして川を泳いでいるミミズも護岸の隙間から出てきて動き回っているうちに護岸からポロリと落ちてしまったやつなのではないか・・。そんなことを思うようになりました。 ちなみにこいつは初めて見た時から川の中にいたミミズ。しばらく川を下ってから護岸に這いあがり、隙間の穴に入っていきました。
そんなことを考えながら観察を続けていると、思わぬものを見つけることができました。こちらです。 魚がいた! ヒガシシマドジョウ‥でしょうか。おそらく日中は砂利の中にでも隠れていて、夜になると出てくるのでしょう。ここで初めて魚を見ました。ミミズの天敵はヒルとエビだけではなかったのです。 そしてさらに・・。 とある護岸で熱心にコケを食んでいるぶっといミミズがおったのですが、そのミミズが何週目かの観察の際にいなくなっていたんですね。ポトリと水の中に落ちてしまったのかもしれませんが、なんかいなくなりかたが唐突だったので「あれ?」といった感じでした。 その10秒後ぐらい、上流に向かって進もうとした時、目前の護岸にライトに照らされる丸っこい物体がありました。動いている! なんだ!? そいつはするすると護岸を駆け上り、こちらを見てしばしその場に留まりました。 ネズミです。結構デカい、ドブネズミでしょうか・・。 ちょっとした驚きでした。護岸はまあまあ垂直に近い角度です。そこをなんなくネズミは駆けまわっていたのです・・。 このネズミの目撃によって、それまで「天国」だと思っていた川ミミズの楽園は一転、敏捷な天敵のいる厳しい自然界へと変わってしまったのです。 いなくなったぶっといミミズがこのネズミに食べられたのかどうかは定かではありません。ただ、私なんかにひょいとつまみあげられてしまうほどのミミズですから、ネズミに食べられていることは容易に想像がつきます。 もしかすると・・ 川底に潜む川ミミズは、毎晩出てくるわけではないのかもしれません。もしかすると一週間に一度、場合によっては一カ月に一度ぐらいしか出てこないのかもしれません。あるいは川底に潜む川ミミズは、護岸の隙間から顔を出してコケを食んでいるミミズとはまた別の食べ物を得ているのかもしれません。川底だけで生活が完結しているのかも・・。 水際の観察は、もうちょい続きます・・。〈若林〉□
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