雨降りが続きます。しとしと‥しとしとと‥。

仕事にもじんわりと影響をおよぼしている雨。

自然のことですから、仕方ありません。

今の私にできることは身体を丸めて事務所の強冷房に耐えることと川でミミズを掘ることぐらい‥。

と、いうわけで、本日はひさびさ(10日ぶり)に近所の川で掘り掘りしてみました。

イワツバメの巣の下の泥地に細い流れが出来ておりました。

イタチか小さなタヌキの足跡を発見。彼らはモサモサに草の多い茂った夏、どのような生活をしているのでしょう。また寒くなったら観察しよう。

こちらには猫の足跡、そして‥ありました。

おそらくはミミズの掘った穴でしょう。

ミミズの本によれば、これは世にも不名誉な名前をつけられたミミズのしわざ。小さな丸い粒粒はミミズのフンでしょう。巣穴を清潔に保つために野外でトイレを済ませているようです。水辺からは50㎝ほど。

少し掘り掘りしてみると‥。

太さ1mmほどの小さなミミズがおりました。そして‥。

でた! これがおそらくは先ほどの巣穴の住人。その名も「クソミミズ」です(おそらく)。

それにしても‥なんという名前なのでしょう。いや、確かに見た目もクソですし巣穴の入口にクソの山を築くし、ネットによれば悪臭を放つともあるではありませんか‥。それにしても「クソ」はひどい。

タヌキの溜めフンのことを「溜めグソ」と呼ぶ人もいるのですが、この呼び方もニガテなんですよね。

溜めフンのほうがスマートじゃありません? なのでクソミミズも当ブログではお上品に「フンミミズ」と呼ばせていただきます。 

フンミミズ‥。ニオイは感じなかったな‥。

ところでこのフンミミズ、観察したのは川の水際の泥が溜まった所です。イワツバメが巣材の泥をついばみにやってくるような所ですね。なのでいわば陸地です。

ですがひとたび大雨が降ったりすれば、フンミミズの巣穴のあった場所などはすっぽりと流れる水に覆われてしまうことでしょう。その時、フンミミズはどうしているのでしょうか。死んでしまうのか。這い出して逃れるのか。変わりなく過ごすのか‥。

今の私は「変わりなく過ごしている」と考えます。

この数カ月、「水生ミミズ」と呼んで、川底にいるミミズを観察し続けているのですが、ここ数日あることばかりを考えているんです。それは‥

「彼らはなぜ水に入るのか?」ということです。

いえ、そもそもこの質問自体が適切でないとも言えます。

さておき、このところ私は「水生ミミズ」と言う呼び方を改め「川ミミズ」と呼ぶようにしました。

なぜなら、「水生」というと、水の中にばかり棲んでいるように聞こえますが、なんとなく実際には陸地も水中もどっちにも棲めるのではないだろうか?と考えはじめているからです。

事実を整理しますと‥。

①川底の土中(礫中)に潜っているミミズがいる。

②そのミミズとどうやら同じミミズは川の水際から出た陸地の土中でも見ることができる。

③川を泳いでいたかと思うと、そのまま護岸を這いあがってコケを食むミミズもいる。

④その護岸でコケを食むミミズと同じミミズは川底の土中(礫中)でも見ることができる。

さて‥。①と②、③と④は対になっているわけでありますが、なんとなくわかってきたことは、同じミミズが川底の土中(礫中)‥つまり水中にもいれば、川の水際から出た陸地の土中や護岸にもいるということです。

つまり、おそらくは川の中にも陸地にもいることができるミミズがいる、ということなんです。そしてそんなミミズは結構多いのではないか?ということです。

では、陸地にも水中にもいることのできるミミズが、陸地を選ぶ理由はなんでしょう? 水中を選ぶ理由はなんでしょう? それをずっと眠る間際に考え、時には眠れなくなったりもしているのです‥。

川ミミズの生活スタイルにおいて、ふたつの仮説を立ててみます。

スタイルA ずっと水中(川底の中)に暮らしている。

スタイルB 時に陸地に上がり、時に水中(川底の中)に潜る。

 

私的にはスタイルAの最有力候補は「クルンクルン水生ミミズ」と呼んでいるミミズだと思っています。他にも水中に特化したスタイルの大型ミミズはきっといるかと思っておりますが、とりあえずはおいといて‥。

問題はスタイルBについて。

そう、表題にもあります「彼らはなぜ水に入るのか?」です。

仮説その1:陸地に上がるには理由があり、水中に潜るのにも理由がある。

仮説その2:陸地も水中も関係なく、そんなに分け隔てて考えていない。

なんとなく‥ですが、近所の川の水生ミミズについては「仮説その2」が当てはまりそうな気がしています。

たとえばこんな所に川ミミズは多く見られます。ヤナギタデの繁茂する中州です。増水すると中央の凹んだところには水が流れます。冠水して、さらに砂利が流されて運ばれてきます。実にこんな所に「富山ブラック水生シマミミズ」や「水生ドバミミズ」と呼ぶ川ミミズを多く見ることができます。そして本日も‥。

少し表層の石をどけるとこんな感じ。さらに‥。

(おそらく)シマミミズもおったー。

そして「オレハチ」も登場!

川ミミズ好きにはたまらない光景です‥。

さらに‥。

めちゃくちゃ可愛いオレハチの幼体!! 短っ!! そして美しい‥。

シラスウナギを「白いダイヤ」と呼ぶのであれば、宝石に例えてもよいでしょう!(例えませんけど‥)。

 

こちらは以前、カラスが石をひっくり返して川ミミズをついばんでいた河原があった所です。増水にともない河原は完全に消失しておりました。この陸地にいたミミズたちは、そのまま水の中へ‥。つまり、土の中にいる彼らにとって「仮説その2」のように、頭の上を流れているのが空気だろうが水だろうが関係ないのかもしれません‥。

川というものはそれだけ流動的かつ動態なものであり、岸は削られ川底となり、川底には砂や砂利が堆積して河原となります。そもそも川辺に棲んでいるミミズというものは、水陸両用の性質を備えているのかもしれません。

・・と、思いつつ、その一方で「仮説その1」も、どうしても捨てきれないのです。というか、こっちの線を探ってみたいのです。

そう思わせてくれたのが、こいつとの出会いでした。

水中から護岸を這いあがるぶっとい川ミミズ。

元々棲んでいるのは護岸の隙間の穴の中で、このシーンは護岸を這っている時に誤って水中に落ちてしまったので登り直しているところなのかもしれません。

ですが一方で、この川を日中観察すると、水中の土中(礫中)にも同じように見える川ミミズがいるのです。

仮説α:川底の土中(礫中)にいる川ミミズは、時に護岸を這いあがる。

仮説β:川底の土中(礫中)にいる川ミミズと、護岸を這っている川ミミズとは別モノ。

今気になっているのはコレです。

そして「仮説α」だとするならば、川底から這い出して護岸を這いあがるのはどのような時なのか? 「仮説β」だとするならば、川底の土中(礫中)にいる川ミミズはずっと川底に棲んでいることになりますが(この川は二面護岸で周囲に「岸」と呼べる水面上に出ている場所が乏しいため)、そんな彼らは何を食べているのか?

不思議なことに、これぞ!という川底から這い出してきたと思える川ミミズをまだ観察していないんですよね‥。おそらくそんなには出てこないのだと思います。護岸にはドブネズミもおりますし‥。

極めて個人的な妄想ですが、川底の土中(礫中)に潜んでいる川ミミズは、二週間に一度ぐらいの間隔で護岸を這いのぼり、コケの根元をもしゃもしゃと食べに出てくるのではないか‥。それ以外は川底の土中(礫中)で得られる食べ物だけでまかなっているのではないか‥。

そんな予感を抱きつつ、もうしばらく川ミミズ観察を続けたいと思います。〈若林〉□

 

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