暑い日が続きます。なんとなくこの暑さに慣れてしまったようでいて、気づくとフラフラしている‥危険な暑さですね。

このところ、ポツポツと釣りの取材に伺わせていただいておりますが、その合間を縫っての川漁りも粛々と続けております。

(※今回もミミズ等、陰キャの写真が並びます。お気を付けください‥)

さて。

数日前に、少し気になっていたことを確かめに、観察に行ってまいりました。

ぶっといミミズがいる二面護岸の川なのですが、おそらく2週間ほど雨が降っていなかったんですね。雨が頻繁に降っていた梅雨時には、夜になると濡れた護岸に這い上ってコケを食むミミズを観察できていた場所です。

ここには二面護岸特有と思われる川ミミズの生活スタイルがあるようで、それは・・

①護岸が湿っている時は、護岸の隙間の穴の中に日中は潜み、夜になるとそこから這い出して護岸を這いまわりながらコケを食む。

②護岸が乾いてくると、日中そこに潜むのはリスクが生じるため?か、川の底に潜り、夜になるとある者は護岸の濡れた水面際ぐらいまで出てきてコケを食む(護岸が乾いている間は川底の砂利中から出てこないミミズもいると思われる)。

③減水が続き水位が低下すると護岸際の砂利底は一部が水面上に露出して、そこに川沿いに並ぶサクラの落葉が流れてきて溜まる。ミミズはその落葉の下にいて、おそらく落葉を食べているのではないかな・・と思われる。

・・と、ここまでは観察してきていたのです。

気になっていたのは、ここで雨が降ったら、ミミズたちはまた護岸に這い上ってコケを食むのか?ということです。

水位がある程度あると護岸際の砂利底は水面下に沈むため、サクラの落葉が溜まりません。もちろん、川底にも何らかの食べ物となるものはあるのだとは思うのですが、サクラの落葉が溜まっている時は、それにも増してしっかりと食べ物がある状態なのではないかと思うのです。その状況でもミミズはコケを食むために護岸を這い上るのか否か・・。そこが気になっていたのでした。

体よく雨が降りました。

急いで仕事をまとめ、川へと向かいます。

すると予想通りに・・。

ミミズは川底を這いだして?(きっとそうだと思います)護岸を登っているではありませんか!

少し意外だったのが、サクラの落葉が雨による一瞬の水位上昇できれいに流されてしまったこと。なので、サクラの落葉に包まれた状態でもなお、護岸を這い上るかどうか・・という検証にはなりませんでした。

しかし・・

見る限りの印象では、ミミズたちはひさびさの雨と濡れた護岸に喜んでいるよう。

あちこちに這い上る姿を見ることができました。

ぐいぐいと登っては、コケの根元を食んでいます。

「富山ブラック水生ミミズ」と呼んでいたもう少し小型のミミズもコケに群がっています。

コケだけではなく濡れた岩に這い上る者も。

シマミミズっぽいミミズも岩を登ります。

これを見ると、やはり二面護岸の川ミミズたちにとって、苔むした護岸は特別なものであることを感じますね。

隙間から顔をだすスタイルも。

もしかするとこれから数日は湿り気の残った護岸の穴で過ごせるのかもしれません。

やはり川ミミズは護岸のコケが好きなのです。

 

それからまた暑い日が続きました。

パラリと雨が降っても護岸はすぐに乾いてしまうほどの猛暑。

私も涼を取るために、休日に近所の川で水浴びなどをしてみたのですが・・。

そこである光景を見て、おや?・・と思ったのです。

それは片岸にある護岸の隙間(人工的な穴)から常時流れ出す湧き水でした(この川はもう片岸は護岸されてません)。

明らかにまわりの水よりもヒンヤリと冷たく、湧き水の流れ口の周囲は湿り、コケが繁茂していました。

これは・・もしかして・・。

ただ、例の二面護岸の川に比べると水深は深く(深い所で腰ぐらい。浅いところですねぐらい)、流れもだいぶ速いのです。これまで川底から護岸に登るミミズを観察してきた限り、流れがあまり速いと護岸へのとっかかりを得る事ができず登れない姿をたびたび見てきました。

いるかな? いないかな?

とても気になってしまい、よなよな確認へ・・。

爆竹を鳴らして騒ぐ若者に怯えながらじゃぶじゃぶと川に入って行きます・・。

こんな感じです。コケは全体にありますが、乾いてしまって湧き水の周囲だけが青々としています。ここならば、この暑い夏にも川ミミズは常にいることができるはず・・。問題は日中に隠れられる穴のような隙間があるかどうかですが、濡れたコケの間に入りこむという手もありますので、きっと隠れ家はあると思います。

・・・と、いきなり出てきたのは、でっかいハシリグモ?の仲間。脚もいれたら8㎝ぐらいありました。

光りに驚き水面へ・・。

そしてそのまま水の中へと潜っていきました・・。

ミミズはこのクモにも襲われているのかもしれません。

水面の近くにガガンボの幼虫。

そして・・

おった・・。

例の二面護岸にいるぶっといミミズほど大きくはありません。長さは13㎝ほどはありそう。太さは3mmほど。身の張りがあり、シッポ周辺はガサガサと節ばっているタイプです。

数は多くありませんが、思ったとおり、湧き水の出口周辺に同じタイプのミミズがいます。

川の流れは速いところ。よくもまあ、護岸にたどり着いたものです。

コケの根元を食んでます。

美しき、コケと湧水とミミズとのコンビネーション。

美しい・・。

ミミズも空気を読んで?コケの緑に色合いを合わせているよう・・。

コケを指で押してみると、ミミズがにゅるっと飛び出してきて、そのまま流れの速い川へとぽちゃん。と思いきや、ぐねんぐねんと動いて護岸の水面際にモサモサと生えている(先ほどクモが張り付いていたような)腐ったコケ?のようなところにバッと取りついて潜りこんでしまいました。

気になってもう一匹落とすと今度もコケに潜りこんだのですが、勢いそのまま抜け出してしまい川底へ(水深は60㎝ほど。流れは速い)。そのまま砂利底へ素早く潜りこんでいきました。

 

ここのミミズはとても動きが素早いです。光への反応も例の二面護岸のぶっといミミズよりも敏感な気がしました。そして尻尾の辺りが節ばっているんですよね。手触りはザラザラ。

 

話が散らかってしまうので、また次にしたいのですが、どうやら川ミミズの中でも流れに強いタイプがいるようで、こいつらはそれなのではないか・・と思っています。

流れの速い渓流っぽい小河川で見つけた川ミミズも、似たようなタイプでした。注目すべきは、特に尻尾周辺あたりの節ばったザラザラ感。

注目していきたいと思います。〈若林〉□

 

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