台風14号は当初の予測よりも南方へそれました。 今はヤマメの産卵の盛りですから、過度に川が荒れることを怖れていたのですが、少しほっとしました。 この1カ月ほど、いろいろと少しずつ仕事のしわが寄ってしまい、平常よりも忙しい日々を送っておりました。 今日はひさびさに自転車通勤をして武蔵野台地の河岸段丘をいくつも越える地味な愉悦を味わい(息が切れて切れて‥)、少しだけ川の水に足を浸して「ミミ活」をして、朝から豆を挽いてコーヒーを淹れるという、ささやかな通常業務の喜びにひたっております。 この1カ月の間に、待っていたコガモが事務所前の三面護岸水路、通称「ガタ」に飛来しました。 今年の初観測は9月29日でした。 この時期はまだオスも生殖羽ではないエクリプスという状態で、地味な色合いです。 これからオスは少しずつ美瑛の丘のような美しい色分け頭に染まっていきます。 こちらはガタ育ち?かどうかはわかりませんが、地元生まれ地元育ちのカルガモたち。 今年生まれたカルガモは、日が短くなるにつれ増えていく、越冬ガモたちを、どのように見ているのでしょうか? 右がカルガモ、左がコガモ。飛来当初のそわそわ感が好きです。 再び旅立つ春までの観察を楽しみたいと思います。
さて。話は変わりまして、先週は一泊二日で対馬へと取材に行ってきました。 丸っこいネコジャラシが揺れる断崖。 日本では対馬だけに生息すると言われているアキマドボタルの乱舞を見たり、西方の自然を浴びてきました。 朝、少しだけホテル周辺を散歩する時間があり、ふらふらと水辺へ‥。 川‥なのですが、海へも近く、ボラやサッパ?の類が泳ぐ汽水の流れ。 果たしてどんな川ミミズがいるのかと‥少しだけ「ミミ活」です。 石の裏にはミミズの巣穴が! 果たして‥ いました!‥が、意外にもミミズではなくゴカイの仲間。 汽水域ですからむしろ意外ではないのでしょう。 ミミズもゴカイも同じ環形動物ですが、ゴカイはミミズよりも塩分濃度が高く、より湿った場所を好む種族。 カワゴカイの仲間でしょうか? 近くにホタルガもおりました。 そしてこんな水路をどんどん上っていきます。水路のそこは完全なコンクリでミミズは期待できそうになかったので、左右の護岸に生えたコケ場を観察します。 常に湿った排水溝周りにはカワゴケの類も生えていました。 そして発見! 太さは直径3mmほど。長さは6~7㎝。マッチョ系のフトミミズの仲間でしょうか。そして一緒にカニもおりました。 地元・武蔵野台地の湧水場で見られるカニとミミズの同居を、はるか西方の対馬でも見ることができました。武蔵野台地の場合はサワガニですが、このカニはなんだろう・・ ミミズはこんな感じ。コケの根元に潜んでいました。 環帯が見えないのでまだ幼体。節ばっている感じは武蔵野台地の川や湧き水で見られる「マッチョ系」に似ています。 ただ、運動性の低さが別モノな感じでした。通常フトミミズは別名「跳ねミミズ」とも呼ばれているように、体をぐねんぐねんと跳ねるようにビンビン動かすほどの運動性を持っているのですが、このミミズはもっと鈍重な動きでした。見た感じはツリミミズの仲間っぽくもなく、興味をそそられたしだいです。 もう一匹、太さ直径1.5mm、長さ4㎝ほどのミミズもいました。 それにしても・・ 防火壁の石積みがとても美しいのです。 隙間からはコケなど植物がモサモサと生えています。 ミミズにとっても良い棲家となっていることでしょう。 時間があれば、この石積み見学だけで一日を費やしても良いぐらい魅力的です。 少しだけ、湧き水も探しました。 これは神社の一画。 シダ類?ですら葉の表面が照っているという照葉樹林帯。 神社のクスノキ。大きな照葉樹にはパワーを感じますね。 魅力的な島でした。 また川ミミズを探しにこよう‥。〈若林〉□
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