北寄りの風が強めに拭いている埼玉南部の午後。 カメラも持たずにいつもの川を少し歩いて観察していると、水鳥たちが一カ所に集まって頭を水の中に突っ込んで何かを食べています。 一番多いのはヒドリガモ。 次に真黒いオオバン。 そして1羽だけ小さなカイツブリ。 場所は北風を最もブロックできるカーブの北側の護岸際。ついばんでいるのは水面下20~30㎝ほどの所に生えているオオカナダモの群落のようです。 こんな時、双眼鏡か望遠レンズがあれば、多少は観察もできるのでしょうが、肉眼では食べているものはわかりません。ですがオオカナダモではないよう。オオカナダモなら口からはみ出した茎がだらりと下がるでしょうから。それよりももっと小さな粒状のものを食べている様子。 おそらくですが、オオカナダモについているモノアラガイなのではないか‥と予測しました。 はたして・・。
さて。 つい先日は、武蔵野台地を挟んで南側の川の小さな支流を少しだけ観察してきました。 雰囲気はいつも観察している武蔵野台地の北側の川と似ていて、観察するところもまあ似通っているのですが、それでも少しだけ違うのが、面白いところ。なんというか、パラレルワールドに迷い込んだような気持ちになります。 川はこんな感じ。 少し掘ると、こちら側の川でも見かけるシジミと、こちら側では見かけない細長い巻貝(ネットで調べましたがわかりませんでした‥)。こちら側ならこの場合、この細長い貝に変わってカワニナが現われるのですが、こんなところがパラレルワールド的です。 川ミミズもいました。太さは3mm、長さは5㎝ほど。 こっちの川ならこの場合、オレハチ(オレンジハチマキ水生ミミズ)なのですが、同じツリミミズ科のミミズのようですが、雰囲気は少し違います。 ハチマキがない未成熟個体ですし、もしかしてオレハチなのかもしれませんが、果たして‥(オレハチについては過去ブログ【オレハチ】をご参照ください)。 こんなところもパラレルワールド。 川辺には蜂の巣があったり、 キボシカミキリ、でしょうか。 そしてクルミの木を見つけて地面を探していると、いつも見ているオニグルミとはちょっと違う感じ(ヒメグルミ?)。食べられている痕(食痕)も、なんだか少し変わっています。 いつも見ている「推定アカネズミ」の食痕とは違います(推定アカネズミの食痕はこちら)。 これはアカネズミっぽいか‥。 裏も派手にやられている。 クルミが違うと食べ方も違うのかな? こんな感じに、似ているけど何かが少し違う、みたいなことがあるのが楽しいです。 一方、こちらは昨日歩いたいつもの川の横の水路。田んぼの用水路です。 イタチらしき足跡や・・ アライグマらしき手の痕や・・ ザリガニの殻や触角が混じったイタチらしきフンなど。 あまり変わったこともなく、馴染んだ風景と言った感じ。 川にはひさびさに(おそらく)猛禽による食痕も発見。 結構、羽が大きめ。 左右は風切り、中央は尾羽、小さいのは‥なんでしょう? マガモのメスかな? 今後が楽しみですが、これも想定内。 私にとって観察の基準となる馴染みの川の風景。 この風景があってこそ、パラレルワールドを楽しめる、というわけです。〈若林〉□
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