今日はとても暑い一日でした。

なのに片道1時間半ほどの行程をサンダルで歩いてしまい、足の甲の腱がとても傷んでおります・・。

さて。

まずは先週末の金曜日のお話を少し。

23時過ぎぐらいに事務所を出て帰宅しようとしたところ、潟が「みちみちている」気配を醸し出していたんですね。

「みちみちている」とは、言葉どおり「満ち満ちている」という感じ。普段、魚は上れない三面護岸の潟ですが、雨による増水や満潮による水位上昇のタイミングだけ魚たちは上ることが許されています。そして「みちみちている」時は魚が上れる時ですから、暗くて見えないのですが、ひたひたとそこに魚がいる気配が漂っているのです。

・・と、すぐに正体がわかりました。

聞きなれたパシュッ、ボシュッという捕食音。

ナマズです。

私的にはちょっとした驚きでした。

ナマズがこの潟にやってくる理由は、捕食もしくは産卵行動かと思うのですが、産卵行動を最後に確認したのは5月7日。その時の様子は過去ブログ【潟とナマズ】をご参照いただくとして・・その後の潟開き(雨や満潮による増水)で上ってきている様子は観察できていませんでしたから、もう産卵も終わってしまったのでは・・と思っていたんです。

ライトを持っていなかったので、ナマズの姿は見えません。ですが、多い時で10秒間に2~3回ぐらいの捕食音が、あちこちからひっきりなしに聞こえてきます。ハクやコイの稚魚でも食べているのでしょうか。いずれにしても、その捕食音から、かなりの数のナマズがいることがわかります。

どうしても姿を見たくて、事務所に戻り、ライトを探すも見当たらず、一度離れた車までライトを取に行くも、見当たらず・・。また事務所に戻って熱心に探すと、ありました・・。隙間に落ちてました。そして電池が切れている始末。なんとか電池を探して、さあ潟へ・・。この間、30分ぐらいのタイムラグがあったでしょうか? 悪いことに降りやんでいた大粒の雨がまた降り出してきました。撮影は諦め、ライトだけを照らすと・・。

そこにはコイが数匹と、あとはナマズナマズナマズ…。あちこちに追尾をする姿を見ることができました。パッと見で20匹はいましたので、30~40匹ぐらいはいたのではないでしょうか? しばらく観察しましたが、巻きついている様子は見られず、そのうちに大雨になってしまったため、退散することに・・。

最も雨が降ったのは土曜日の夜でしたが、あいにくこの土日はお休みをいただきましたので、観察できず。そして今朝の潟はごらんのとおり。

何もなかったように、完全に水位が下がり。閉じておりました。

でも、なんとかライトを探して観察できたのは自分にとって大きなことでした。

まだチャンスはあるかと思いますので、タイミングが得られれば産卵行動を観察したいと思っております。

 

さて。前置きが長くなりましたが、本日も本題は水生ミミズの話です。

※画像がセンシティブにて、苦手な方はお閉じくださいませ。。

 

いや、私もニガテなんです。ミミズ。ニゴイからの流れで観察がスタートしたために、なんとなくイケている感じになりましたが、名著『ミミズ図鑑』を休日の昼下がりなどに読んでおりましたら、本気で気持ちが悪くなってきたぐらい・・。ミミズ沼はキケンです・・。

でもまあ、乗りかかった船ならぬ、掘りかけたミミズ・・ということで・・。

 

まずは出勤前のいつもの川で定点観測。シジミとの相性がよいタマガヤツリの周囲に流れが出来ておりました。

週末の様子はこんな感じでしたから・・。川辺はコロコロと変化します。そんな中でも安定していられる場所こそ、水生ミミズの棲家(なのではないかと思い始めております)。

いつもの分流をチェック。意識しておりませんでしたが、ここにもしっかりとタマガヤツリがありました。シジミもたくさんいる場所です。

掘り掘りすると、すぐに出てきました。場所が少し下流側にシフトしていましたね。大水の影響なのか? 私が掘り掘りしすぎている影響なのか‥?

ちなみに水生ドバミミズと、細マッチョ虹色水生ミミズと、富山ブラック水生シマミミズと思わしきミミズをいくつか観察することができました(写真はあえて載せません・・)。

そして一度事務所へと戻り、仕事をしてまた川へ。

今度は近所の川です。いつも水生ミミズを観察している川よりも大規模の別支流。近所なのに、まだ一度も水生ミミズを観察したことがなかったので、ちょっくら掘ってみようと思ったのです(これまでもちょいちょい掘ってはおりましたが・・)。

先日のブログで、これからはいなさそうな場所も積極的に掘って行こう・・なんてことを書きましたが、やはりそんな余裕はなかなかなく、本日は、いそうな所をピンポイントで探すことに。

いそうな所・・といえば、やはり分流です。

あそこと・・あそこだな、と頭の中で想像して歩きはじめました。

水生ミミズ・・といえば、カラス。

これは親子でしょうか。子どもがエサをねだってますね。

あいにく、ミミズを掘る姿は観察できませんでした。

こちらのカラスは食パンの耳を水に浸しに川辺へ・・。

軟らかくして食べやすくしているのでしょうか。

本当にカラスは賢い鳥ですね。

さて。

30分ほど歩き、第一候補の場所につきました。

ところが記憶とはあやふやなもので、思ったよりも砂地というか泥質・・。しかも下はコンクリの護岸張りで、その上に泥が積もっている、我が三面護岸「潟」のような流れでした。

これではだめだと、しばし悩み、そこから20分ほどの支流まで足を伸ばすことにしました。この支流は、おそらく武蔵野台地の湧き水を集めたこの川では珍しい清流で、思いっきり砂防堰堤で断絶はされておりますが、その先はちょっとした山間へと刻み込まれていくような沢です。

ここならば・・と目指したのですが・・。

30分経過。

・・あれ?

40経過。

・・出てこないな・・。

と、ここで、そういえばその時は自転車だったじゃん!と気づく始末。

結局、最初の分流から1時間もかけて、なんとかたどり着くことができました。

すでに長すぎる長すぎる昼休みに・・。

着いたー・・。

すでに熱中症を怖れなければならないほどの汗だく・・。

ですが、こちらは想像した通りのミミズ場でした。

タマガヤツリもあります。

さっそく掘り掘り・・。

シジミはあるかと思いきや、ありませんね。

流れが浸透しつつ、砂と小石とのブレンドが絶妙な場所をピンポイントで狙って掘りますが、おりません。

ここぞ!・・というところでしつこく掘っていると、びよーんと長い、マッチョ虹色水生ミミズぐらいのボリュームの物体が・・。

あまりに驚いて写真も撮れませんでしたが、黒とワイン色の巨大なヒルでした。あー驚いた・・。

30分ほど掘りつづけていると、沢の上の方の雲が怪しい色になってきて、冷たい沢風がその雲に吸い上げられるように吹きあがっていきました。

これ・・雨が降ってきたら、まあまあキツいな・・。

そう思って、諦めて戻ろうとした、その時でした。

 

 

おったー!!

オレハチです。このところ、マッチョ虹色水生ミミズの次に・・いや、それ以上に好きになりかけているオレハチでした。

葉っぱの上に乗せてみました。

「オレンジハチマキ水生ミミズ」、略してオレハチです。

実はこのところ、水生ミミズに対して、とある疑念のようなものが芽生えておりまして・・。

それはちょっと前に、陸上を歩いているミミズをポイと水に放ってみたところ、生き生きと砂利に潜っていく様子を観察してからなのですが・・(詳しくは過去ブログ【水陸両用】参照)。

水生ミミズってなんなんだろうと・・。

もしかすると、陸生も水生もなく、彼らにとっては土の中(陸)でも砂利底(水中)でもどっちでもいいのではないかと・・そんなことも思っているんです。

そう見ると、名著『ミミズ図鑑』によく似たミミズが載っているんですよね。

もちろん見た目だけじゃなんとも言えないわけですが・・。

ちなみに「マッチョ虹色水生ミミズ」は、その名も「ニジイロミミズ」に似ているような気がしますし、「富山ブラック水生シマミミズ」は「キクチミミズ」によく似ています。

ですが・・。

このオレハチは、水中に特化したタイプなのではないかと思うのです。

オレハチの特徴を上げますと・・。

・ハチマキがオレンジ

・下半身が節ばってザラザラ

・結構、流れのきいている所にいる

・ヒルみたいに短くなったり長く伸びたりする

・ヒルみたいに平べったくなったりする気がする

というもの。

何と言いますか、ミミズでありながら、ヒルっぽいんですよね。

ヒルにも陸生がいますから、それがすなわち水中への適応というわけではないのですが、他のミミズとは、雰囲気が違うとは言えるかと思います。

とても気になる水生ミミズです。

動きもくねくねとユニークなんですよねー。

どっちが頭やねーん!・・みたいな。

からみついて・・

まさかの方結び!

だ・・大丈夫ですか?

ほどなく、ほどけました。

いた場所は、こんな所。

・適度な流れ

・軽く水が被る

・2~3㎝の小石を除けると砂地

・近くに植物が生えている

そしてもう一匹。小さいので種類はわかりませんが、オレハチの子どもなのだろうか・・。

満足です。今度は沢を遡行してみよう。

 

幸いにも雨は降りませんでしたが、帰りは完全に足がいたくなり、2時間ほどかけてなんとか事務所へ・・・。

長い長い昼休みとなりました・・。

でもオレハチに会えたからいっか!〈若林〉□

 

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