冬至を過ぎましたので、これからは春に向かって少しずつ日照時間が増えていくわけですが、寒さはまだまだこれからです。

近所の川の水温はおおよそ11℃。これでも朝方の地上よりは温かいのですが、それでも他の季節に比べるとだいぶ水温は下がります。

そんな冬でも水温変化の少ない場所があります。

それは湧き水です。

今日はひさびさに湧き水が流れる側溝に川ミミズを確認しに行ってきました。

側溝は幅70㎝ほどの三面護岸。底には薄く砂や土、それに小石が溜まっています。水深はそうですね、10~15㎝ほどでしょうか。

湧水なので、結構透明です。そして水温は・・

17℃。夏場は20℃前後でしたから、少しは下がりましたがそれでも安定しています。11℃の川水に手を入れた後に17おの湧水を触ると、お湯のように感じます。それぐらいの水温差があるのです。

安定した流れの底にはカワニナや・・

ザリガニがいます。そして三面護岸の両サイドの水面際にはコケの類が生えています。

ウキゴケ(リシア)も。この下には結構な確率で川ミミズが棲んでいるのですが・・

やはりいました。

カワゴケの下にも。

おなじみフトミミズ科の「マッチョ虹色系」ですが、このミミズは環境によって色を変えるようです。周囲の環境の色合いに合わせて体色がきまるような感じです。暗い所にいるやつは暗色系です。

微妙な色合いがいいんですよね。

美しい・・。

妖しい・・。

お帰りになっていただいているところ。

なんとも言えませんね。

・・とまあ、こんな感じで、両サイドの護岸に生えたコケの裏にはいました。先日、川で見たやつはやせ細って元気がないように見えましたが、さすがは安定した湧水です。元気もりもりのグネングネンです‥。

それにしても、この川ミミズ、一体寿命はどのぐらいなのでしょう? ミミズの中には一年生のものも結構いて、そんなやつは冬を前に親は死んでしまうそうですが、少なくても湧水場では冬でも平気で生きています。

ひとしきり観察を終えて帰ろうとしたのですが、目の前の水底がなんとなく気になりまして、掘ってみましたところ・・

おった・・。

伸びると15㎝ぐらいになります。このタイプでは大型のほう。

そしてこの川底では、これまでなかなか見つけることのできなかったものを見つけることができました。

それはこちら。

おそらく幼体です。長さは2㎝弱。同じ種類のミミズであるという確証は持てないのですが、もう少し大きいのも、さらにもう少し大きいのもいたのです。

仮に『マッチョ虹色水生ミミズ』と呼んでいるこの川ミミズは、他のミミズに比べて水の中により多く進出する性質を持っていることは確信しているのですが、そこそこ大きなやつしかこれまでは見つけることができなかったんです。

なので、土で生まれたものが、何らかの過程で水に落ちてしまい、そこでしかたなく暮らしているのではないだろうか・・なんて妄想をしておりました。

ですが本日、ひとつ新たな仮説を立てることにしたいと思います。

『マッチョ虹色水生ミミズ』のうちのいくらかは、水底で生殖活動もしているのではないか・・?ということです。

つまり生活史のすべてを水の流れの底で完結している可能性もあるのではないか、ということです。

ちなみに大型のはこんな感じ。

特に小型個体はごらんのような土と砂の入り混じった底で生活していました。

そして・・

ひと目でわかる違うタイプな感じ。

オレハチやシマミミズと同じツリミミズ科に属するタイプだと思います。雪ミミズにも少し近いような‥(※雪ミミズについては過去ブログ【水生雪ミミズとの遭遇】をご覧ください)。

いやー、すごい・・。

このタイミングで、ちょっと頑張って、卵胞まで見つけてみようか・・。

余暇の過ごし方にしては、大掛かりになりそうですが・・。〈若林〉□

 

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