未明より雪が降る予報もあった埼玉南部ですが、日中はひさびさに少し暖かくも感じる曇り空。雨が時折パラつくと、濡れたアスファルトの匂いが春を思わせます。

川ミミズの卵胞を育てる「ミミ活」にも忙しない日々ですが、今日はちょっとした目的があって少し近所の川辺を歩きました。

モズのハヤニエ探しです。

この冬にはオニグルミの木では見つけておりましたが、去年の3月にも観察したこの木を観察しておきたいと思ったんです。

トゲだらけのサイカチです。

こんなにトゲトゲなんだから、きっとハヤニエもあるだろうと‥。

途中、こんな鳥の巣を見つけたり・・

こんなハヤニエ?を見つけたり‥(リンゴですね)。

サイカチの場所は何となくしか覚えていなかったので、しばし迷ってしまったのですが、カマキリの卵が多い木を見つけ近寄ってみると・・

それがサイカチでした。

トゲトゲです。

3月にはサンダルを突き抜け足にこのトゲが刺さるという事故がありましたので・・慎重に近づきます。

そして・・

あった・・。なんと獲物はカマキリでした。

大きさ的にはコカマキリかな‥。

満足しての帰路、こんなのも観ました。

小魚をついばむハクセキレイ。

カワセミやカワガラスがやるように、小魚を地面にたたきつけてました。ハクセキレイはヤゴを食べるシーンは目撃したことがありましたが、魚は初めて。おそらく弱って岸際にいたものを捕らえたのだと思います。

まだ活き活きとしてましたが、すでに頭部はない状態。おそらく‥ですが若いオイカワという見立て。

ポツポツと雨も降ってきました。

空は薄暗くローライトに。

カマキリの卵がある所を狙ってハヤニエを探します。カマキリはイナゴやバッタの捕食者で、イナゴやバッタはモズも食べますから‥。

でもハヤニエは一例のみでした。

代わりに・・

タヌキの溜めフン場。ギンナンと柿のタネ。

ポソポソと生えている茅場にはキジバトやスズメ、ツグミやムクドリなどがいました。

そして、そんな茅場にポツンと生えているエノキに近づいてみると・・。

こ・・これは・・!!

なんと、アオサギがヤラれた痕でした‥。

アオサギが襲われているのを見るのは初めてのこと。

この川では3年ちょっと前に、オオタカがコサギを襲うのを目撃しています。

実のところ、その目撃こそが、この川で鳥を観察しはじめるきっかけでもあったのですが・・(その時の様子は過去ブログ【ローライト時の密な気配】をご覧ください)。

その冬は10例以上ものコサギが襲われた痕を観ましたが、アオサギは一例もありませんでした。その後2年はまるで見られず・・。ですが、つい先月、久々にコサギが食べられた痕を観察していたのです。

おそらくは・・オオタカではないでしょうか? そして3年前の観察から察するに、サギ類に味をしめたオオタカは、何羽も食べるのではないかと思っています。

このアオサギは昨日今日ではなく、1週間ほど経っていそうでもありますが、これからしばらく推定オオタカの食痕を注意深く観察したいと思います。

さらに別の木でも。

ごっつええ感じのビデオテープが捨てられていたその先で‥。

これはおそらくカワラバト。

ハイタカやハヤブサもいますから、何のしわざかはわかりませんが、いずれにしても猛禽の存在を感じる食痕です。

今日はなかなかすごい物を観た‥と満足しながら小雨降る川を観ながら事務所へと戻って行きますと、アオサギやこの冬初めてオナガガモも観察できました。

収穫たっぷりだなー‥なんて思いながら、ポソポソと続いている茅場に沿って猛禽の食痕を探しながら歩いておりますと‥。

ん?

ん??

なにぃ・・!?

あまりにも突然のこと、そして距離にして3mほどの至近であったため、写真に収めることはできませんでした。なのでイラストにて‥。

 

オオタカがコサギを食べているーーー!!

 

まさかの展開。完全に目が合いました。ですが、私もこの川を歩く経験はそこそこ積んでます。不意に動物に合った時に取るべき態度も、少々は心得ているつもりです。相手に動揺を気取られないよう、そのまま目をそむけ、なんとかその場を自然に(自然なつもりで)通り過ぎることには成功したのです。

ですがそこからがいけませんでした。十分に距離をとったつもりが足りなかったようで、オオタカは食べ途中のコサギをつかんだまま、ピューーとかわいい声を発して飛び去ってしまったのです‥。

サイズと模様からして・・おそらくですがメスの幼鳥・・ではないでしょうか。

 

ローライト時に目の前で起きた出来事でした。〈若林〉□

 

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