先日、タヌキのためフンにあった貝殻を見て、これは二枚貝のカワヒバリガイではないか!?と推測。カワヒバリガイは中国大陸や朝鮮半島原産の外来二枚貝で、磯場にびっしりと着いているムラサキイガイのようなイガイの仲間。日本では排水管などを阻害したり小型淡水魚の寄生虫の一次宿主になることなどから特定外来生物に選定されています。 こちら(おそらく)タヌキのフンを崩したもの。貝殻のようなものがびっしり含まれておりました(ほぼ全てが貝殻というぐらい)。 これを見てカワヒバリガイではないかと推測。他に二枚貝といえばシジミ(おそらくチョウセンシジミ)もおりますが、シジミにしては貝殻が薄いことと、裏側にアワビのような構造色が見られることからイガイの仲間であるカワヒバリガイではないかと推測しました(詳しい方の推察も参考にさせていただきました)。 先週も一度、熱心に探して見たのですが、潮の引き具合が足りなかったこともあり、見つからず(その時の様子はこちらをご参照ください)。 大潮の本日、最干潮に合わせて改めて川辺に降りて観察して見たのでした。 このように潮が引いて水位が下がり、露出したゴロタ石やブロックについてやいないかと探しましたが、やはり見当たらず…。少しずつ下流へと下っていきます。 下流に下るとそのぶん潮の影響を受けるようにはなってくるのでしょうが(実際に海水が上がってくるわけではないかとは思います)、そのぶん石が少なくなり、川岸はドロばかりになってしまいます。下流に行くほど潮の影響を受けるためイガイ類は棲みやすくなりそうな気がするのですが、その代わりに石など固着しやすい固い部分が圧倒的に少なくなってくるので、やはりここら辺にはそうそうたくさんいるものではないようです。 泥場ばかり。 ちょっとしたコンクリートにもついている気配なし。 大潮の最干潮だったので、まずまず潮は引いていたのですが、そうそうあるものではないのだなーと。諦めかけたその時でした・・。 泥場に投棄されたゴミ。 でもこれも固いっちゃ固いよな・・と思いつつ、滑る足に気をつけながら近づいてみました。すると・・ おお!!! 打ち捨てられたCDラジカセの表面に。 お分かりでしょうか・・ いました・・。 これはカワヒバリガイでしょう! 点々とついています。 全部で15個以上、20個未満といったところ。色は黒、茶、ベージュ。 「足糸」という繊維状物質でしっかりとくっついています。イガイだけに意外にも強い。文献をいくつか見るとウナギやニゴイ、ブルーギルも食べると書かれていました。クロダイなら間違いなく食べられるだろうけど、果たしてニゴイやギルはこそげ取れるのだろうか?と疑問に感じるぐらいしっかりとくっついていました。 近くに落ちていたハードディスクらしきゴミにもひとつ。 さびた自転車もチェックしましたがいませんでした。 ともあれ、やはりいた。おそらくタヌキは干潮時にポツポツと見られるカワヒバリガイを食べているのでしょう。もしかすると気づかないだけでびっしりとくっついているところもあるのかもしれませんね。 帰り際、泥に半分埋まったこんな人工的な石をひっくり返してみると・・ 3つほどいました。 こんな感じ。大きさはそら豆を半分に切ったぐらい。 こちらは小型。枝豆よりも小さいぐらい。 とりあえず、見つけることができました。
帰り際には木に止まるオオタカと、川辺で小石をひっくり返すハシボソガラスを目撃。おそらく探しているのはヒゲナガカワトビケラ。ハシボソガラスはシジミも食べます。 「採取」のように得られる貝や水生昆虫は、鳥やけものたちにとって冬の大切な食べ物なのではないかと、そんなことを考えました。 【お知らせ】川辺の自然観察をまとめた一冊、『武蔵野発 川っぷち生きもの観察記』発売中です!(アマゾンの販売ページはこちら) |