こちら埼玉南部も、だいぶ冷えてきました。

せっせと事務所で作業をしているわけですが・・やはり息が詰まるとつい、足を運んでしまうんですよね。

川に・・。

一日3回とか・・。

昨日のブログで「アユとともに川を下ります!」なんて書いてみたのですが、はて下流はどうなっているのだろう・・と思い、ちょっと足を運んできましたところ、アユの産卵に適した砂利底が乏しく、もしかすると、産卵場を求めるならば、川を下る必要はないのではないか?・・なんて考えもよぎりましたが、そんな砂泥底の中流域にもアユはキラキラと鈍く川底で輝いていました。

500円玉ぐらいのアサガオ。

このタイプの大きいヤツは、だいぶ寒くなってからも咲いたりするので「情緒のないやつめ・・」なんてことを思っていたりもしたのですが、小型は好きかも・・。全国に分布を広げているナガミヒナゲシも道端に咲き乱れているのを見ると、すごい繁殖力だな・・と、やや引いてしまう自分がいるのですが、群落の端っこのほうに飛び地的に咲いている小型のナガミヒナゲシは、玉の一度落ちた線香花火のような趣もあって、好きです。

こちらカラムシ。アカタテハの幼虫が途中で放棄した?巣かと思われます。

別の巣を裏返してみると、いました・・。

葉の上にはヒメウラナミジャノメ。

目玉模様が「100の目を持つ巨人アルゴス」を想わせることから、argusという学名がつけられたそう。通常6つ目が多いようなのですが、これは7つ目でした。

落葉の済んだ桜から、季節外れの数輪がポツポツと・・。

水辺にはカモが。・・・ん?

カルガモじゃない!

昨日のブログで「おーい、北国のカモよ。もうこっちに向かって旅を始めた頃かい?」なんて書いたばかりですが、なんとヒドリガモです。下流にはすでにいたのか? それとも昨日今日でやってきたのだろうか・・。

 

いてもたってもいられずに、お昼を挟んで、いつもの流域へ。

昨冬「トリ部」と称し、カモやらオオタカやらサギやらを観察し続けた川へ。昨日はいなかった。でも今日、もしかすると・・。

いるー!

グリーンの翼鏡が美しいコガモが!

小さいのはおそらくコガモのエクリプス(婚姻色の出ていないオス)、大きいのはなんだ? なんとなくですが、オナガガモのエクリプスかもしれません。意外に逃げないし(オナガガモはなぜか人間の接近に寛容)。

そして下流の瀬を見ると・・

むむむ・・これは・・・

でました! ヒドリガモ。

 

結構います。

縄文時代のトリ部(こちら参照)は、この一夜にして様変わりした光景をどのように見たのでしょう・・。北方インディアンのサーモンのような自然の恵みが、毎年のサイクルでやってくる。この日のために研いだ矢じりで・・。

 

岸辺のブッシュを見上げれば、そこにはこれまた久しぶりのヒヨドリが・・。

水浴びしています。

夏の間もずっといたカルガモと、その脇で水草を食むコガモたち。半年ぶりの再会なのか? どんな会話がかわされているのだろう・・。

この夏の猛暑を知っているカルガモと、知らないコガモ。

「夏の厳しさを知らねーようじゃ、まだまだグワ」

「こっちは数千キロ飛んでくるグワよ・・」

 

高らかな連続音は、モズの高鳴き。冬の間のナワバリを宣言するさえずりなのだそう・・。

気付くとトリ感がすごい。

ハクセキレイ。

カワラバトですね。

 

どうしよう・・。

アユとともに川を下らなければならないのに、トリ部も始めなければならない。

さあ、いそしくなるぞー。

 

ふいになぜだか季節に取り残された気になって、そわそわと事務所に戻ったのでした。

 

〈若林〉□

 

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