以前、釣りの取材をしているときに、野鳥が肩に飛び乗ってきたという話を書きました。 自分自身、このなかなか得難い体験はちょっとした自慢でもあったわけですが、先日の取材で・・・・・・。
この日も漁港から延びる防波堤で釣りの取材をしていました。 すると、釣り人が釣るのを後ろで待機している最中、一羽の野鳥が近づいてきたのです。
こんなやつ。 鳥に詳しい人はご存知かと思いますが、雄のイソヒヨドリです。 こいつがつかず離れずの距離を保ちつつ、私の様子をジッとうかがっているのです。
私はと言えば、以前に野鳥が肩に飛び乗ってきた体験を持つという(RIVER-WALKブログ【釣りの取材とは】をご参照ください)、ちょっとした鳥の・・・ナンですかね? ともかく、なんとなく野鳥に好かれる何かが自分にはあるのだろうか?なんて、ちょっとうれしく思いながら、その鳥を見ていたんです。 するとどうでしょう。そいつは少しずつ間合いを詰めてきたかと思うと、私のバッカンに飛び乗ったのです。 「バッカン」とは、釣り道具を雨風から守る箱型のバッグです。私のはカメラ機材用。 こんな感じに。
ほほう・・・。 お前もアレかい? 次には私の肩にでもピョンと飛び乗ってくる気かい? そんなことを思いながら(そして少し期待しつつ)、ではどれぐらいまで近づけるものか、カメラを構え、匍匐前進で寄っていきました。
すると、こともあろうか、バッカンから飛び降りると、ピョンピョンと近づいてくるではありませんか。
その距離、実に30㎝。
なかなかカワイイ。 ですが、、 その目を見たとたん、何かが違う・・と思ってしまったんです。 なんというか、野鳥でありながら野生ではないというか・・。
その勘は当たりました。
隣の釣り人が小さいタイを釣りあげると、一目散にそっちに飛んでいき、近くで尾っぽを振り振り・・・。
そうです。そいつは公園のドバトのように、すっかり人馴れして野性を失った鳥だったんです。
少々、がっかりしました。 そして同時に、もしやかつての野鳥も・・・と考えました。 かつて自分の肩に飛び乗ってきた鳥も、そんな野性を失った「馴れ鳥」だったのではあるまいか? いや、あいつは正真正銘の野鳥だった。なぜなら、ただ肩に乗り、人にこびることもエサを乞うこともせずに、飛び去っていったのだから。そう、あいつは正真正銘の野鳥だったのだ。 ・・みたいな。
オマエ(目の前のイソヒヨドリ)もアイツ(肩に乗った野鳥)のように、野生に生きろよ。 だからエサはやらん。 さっきモスバーガーでただでもらったポンカンが2個あるけど、それもやらん。 がんばって、野生に生きよ。
・・と、そんなことを考えていた、そのときです。
ヒョコッとそいつと、その後ろに地味な色の鳥がもう一匹。 んん?
イソヒヨドリの雌でした。
そいつは「つがい」だったんです。
軽いショックでした。
そうかい。オマエさんは懸命だったのかい。 野生とか「馴れ鳥」とか、そんなこと構わず、ただ食べるために、食わせるために懸命だったのかい。 少し感心して、勝手に見直したりもして・・。
ですが結局、ポンカンはあげませんでした。 自分でいただきました。
それは甘酸っぱく、とても美味しいポンカンでした。□
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