今日はとても穏やかな一日。薄い雲のベールから、時折、柔らかな日が射しこんできます。 本日も、カタツムリハウスこと、埼玉県南部の川そばの事務所で作業中。 ちょうど一年前の今日……という話を書こうかと思ったのですが、一年前の今日(2月29日)って存在しないんですよね。 言い改めまして、ちょうど一年前の2月の最終日。 私の仕事人生?の中では、なかなか大きな出来事がありました。 取引先の版元の倒産です。 何はともあれ、支出をできるだけ急ぎコンパクトにしなければ‥と、川そばから徒歩15分という好立地であった事務所にサヨナラを告げ、まさにその日に近所の不動産屋へ駆けこんだのです。 自宅で仕事をするという手もありましたが、荷物置き場のコンテナを借りるぐらいなら、同じぐらいの値段のワンルームでいいのではないかと‥。 不動産屋さんには、とにかくお手頃価格でと。あと何かリクエストはございませんか?と聞かれたので、3秒ほど考えてこう伝えました。 「‥じゃ、川そばで」 そうしましたら、なんとありますと。川まで徒歩30秒ですと。 もうその勢いで下見に行ったのが、今も作業をするカタツムリハウスこと現事務所です。 物件の立地を見て驚きました。川まで30秒とは聞いていましたが……。 物件のすぐ裏にも川が流れているではあーりませんか!! 本日の潟。 そう、それが「潟(GATA)」との出会いでした。 それからのGATA-WALKにつきましては過去ブログの通りではございますが、川といいましても、水深10㎝あるかないかの言わばドブ。一緒に下見につきあってくれた女性が申し訳なさそうに「ドブの裏‥なんですけどね‥」と言うのに被せて「いや、これはドブじゃないですよ。見てください。サギがいます。サギがいるってことは魚がいるってことです。これは干潟のような貴重な環境ですよ!」とまくしたて、とても驚かせてしまったことを思い出しました。この時はまだ底もコンクリの三面護岸とは知らず、本当に干潟のような場所だと喜んだのですが‥いずれにせよ、私はひと目で、この川そばの物件が気に入ってしまったのです。 さて。 本日も少しだけ、潟をたどって田んぼを見やり、川へ‥というルートのお散歩をしました。 ホトケノザ。早い春の大定番ですね。 タネツケバナの仲間。水辺に多く、アイヌ語ではシペキナ(鮭の草)と呼ばれる仲間もいるとのこと。サケ料理の付け合せに最高なのだそう。クレソンに近い仲間。 この狙っていない雑多感。大好きです。 そして川へ。川辺の木々は刈られてしまいましたが‥。大好きな川であることに変わりはありません。 思えば、潟もそうですが、川そばということに、とても救われた一年だったと思います。 好不調の波はありましたが、今思えば、川を歩くことで救われていたのだなと。 夜、事務所で作業をしていると、ギャーッとアオサギの叫びが聞こえるわけです。 そんなのにめちゃくちゃ救われたなと。山下達郎の歌にも救われたなと(あ、HERONという歌です)。あとはだいぶ毎日川沿いを歩いたのもよかったのか、大きな病気もせずに、この一年を過ごすことができました。 川よ、ありがとう。 で、本日。橋の上から覗いてみますと、ログ・サーモン(マルタウグイ)を今年初めて観察することができました! 濁ってるのでぜんぜん見えませんけどね。工事の影響も少し心配していたのですが、やってきてくれました。一昨年の記録と比較すると約1週間、早い遡上です。 25㎝ぐらいの結構大きめなボラの群れも。こちらは3日前ほどから観察していました。 それにしてもそれ以前にやってくるファットさん(コイ)の大量溯上は見られなかったな‥。でもコイもまずまず集まっていました。 今年も川に海からの春がやってきたのです。 満足をしての帰路、ふと土手から目線を落とすと‥。 ん? あ! いたーーっち!(ひさびさです) 小さい。リスみたい。メス‥ということか? リス‥で思い出したのですが、一昨年、リスみたいな動物を一瞬だけ、ちょうどこのイタチを観察した裏手にあたる川沿いで見かけたんです(ブログ【気になってまた……】参照)。 今、見返してみたら、ちょうど3月8日、この年ログ・サーモンがやってきた翌日のことでした。 今になって思えば、あれはほぼほぼイタチだったなと。今日、小さなイタチを見て、考えを改めました。あれはリスじゃなくてイタチであったと‥。 それにしてもログ・サーモンの遡上とイタチの活動には、何らかの関係があるのだろうか? まさかこんなリスみたいに小さなイタチが、自分の体の1.5倍ほどもあるログ・サーモンを襲ったりしないだろうな‥。いや、それはわからない。カワネズミが自分よりも大きなヤマメに咬みついてグルグルとなすがままにローリングするように、このイタチもざぶんと飛び込んでログ・サーモンのノド元に咬みつき‥。 今日も、なかなかの川歩きとなりました。 明日は渓流も解禁。行きたいけど、しばらくは大詰めのデスクワークです。 それにしても、川は我が心の支えだな‥と、改めて感じ入った次第です。〈若林〉□
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