今日は雨。一日降ったりやんだりの模様です。 埼玉南部はとても涼しいです。 さて。 週末の金曜日、前夜(木曜日)から降ったひさびさの雨で、潟は朝から水位を上げていました。いわゆる「潟開き」状態。そして金曜日も夜にかけてまとまった雨が降るとの予報が出ており、「これは‥くるな!」と思って待機しておりました(その様子は過去ブログ【ナマズを待つ】をご参照ください)。 そしてまだ明るい夕方6時より、事務所と潟を行ったり来たり・・。 昼にはコイばかりでナマズは一匹も見当たりませんでしたが、6時の観察では1匹のナマズを確認。 ナマズは夜に水路などに入ってきて産卵行動を始める‥と文献にはありましたので、これはやはり来る!・・と、ドキドキしながら事務所に戻り・・9時を待ちました。 9時は、過去のナマズ論文の観察で「産卵スタート」の時刻。 もちろん例外はあるでしょうし、日中の産卵だって朝の産卵だってあることでしょう。ですが、それをやっていたら一日中、仕事もせずに潟を行ったり来たりしなければならないので、自分の中で決めたのです。 やつらは9~12時に産卵をする‥と。 そして9時ちょうどに潟に向かいました。 ちょうど1週間前の6月12日、この時は午後11時に潟の下流部でものすごい数のナマズを観察しております。あちこちで捕食音が響き、ライトをあてると20匹ぐらいがいっぺんに見えるほどの密状態。そして産卵行動特有の追尾行動もたくさん見ることができました(それでも産卵の瞬間となる巻きつき行動までは観察できず)。 ですがこの日、下流部には一切の気配なし・・。 気になる点は、ちょっと水位が上がりすぎている点です。おそらく潟では40㎝ぐらいの水位になっていたのではないでしょうか。6月12日は、その半分ぐらいの水位だった気がします。 少しずつ潟を上りながら観察をしますが、中流にも姿はなし。 ですが、最上流を見やると、水面がモアモワとうごめいているではありませんか。 日中にもコイがたくさんいたので、コイかも・・と思いながらもライトを当ててみると・・ とりあえず、おりましたー。
こちらにも・・。 そうですね、おおよそ10匹ぐらいのナマズが、なぜか手前の垂直護岸際に沿って上流に行ったり下流に下ったりしているようでした。 主に壁沿いを上流に向かいながら数匹で泳ぎ、途中で障壁となる草が生えていたりすると、そこで止まって産卵行動に移りそうなそぶりを少し見せて、岸際を離れてまた下って行く・・といった感じ。 三匹のナマズが写っています。時々、岸際でパクパクしています。空気ごと吸い込むような捕食音は聞こえず、岸際に口を寄せてパクパクやっている感じ。エビでも食べているのでしょうか・・。 ちなみに中流にはハク(ボラの幼魚)と思われる群れが結構入っておりましたが、上流ではライトをあてても逃げることもなかったので、ハクはここまで上ってはいなかった模様。 こんな感じでパクパクと・・。と、この写真を見て初めて気づいたのですが、右側の方にアメリカザリガニが水際ギリギリにいますね。もしかしたらザリガニもナマズがやってくることを見越して避難しているつもりなのかも・・しれません。でも食い気があるナマズなら、きっとひげセンサーに引っかかって簡単に食われてしまうと思うのですが・・。 あまりこれぞ!産卵行動・・みたいなものは観察できませんでしたが、丸々2時間ほど、ナマズを観察することができました。 一回だけ密になって水面が騒がしくなった瞬間。ナマズに加えてコイが2匹以上はくっついています。産卵行動か?‥と思いましたが、それでも巻きつき行動は見ることができず。 それでもこんな、ナマズの行進のようなものを見ることもできたので、満足です。
2日後空けて本日、潟の水位は下がっており、あたりはコイばかりとなっておりました。 でもその中にナマズとライギョが一匹ずつ混じっていました。
果たしてこのナマズの行動は増水時に限られる産卵行動なのか? それとも産卵行動とはあまり関係のない潟の夜のナマズの行動なのか・・。 ここらへんは観察を重ねていかなければ、何とも言えない部分です。 でも、ナマズたちにとって潟が大切な場所であることが少しずつ明らかになっていくのは、なんだかとても楽しいことですね。 また観察したいと思います。〈若林〉□
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