本日の埼玉は低気圧通過にともなう北からの吹き返しで冷たい強風。でも明日あたりから晴れ予報が出てますね! 4月後半から5月にかけての晴れ日は本当に気持ちいいので大好きです。 さて。 この時期になるとSNSでも熊が出たとか、熊の足跡を見つけた・・という報告がありますが、今回はそれに関連した話をひとつ。 こちらです。
熊スプレーとウィルキンソン。 熊スプレーはともかく、ウィルキンソンはとても好きな炭酸水。 以前から愛飲しておりますが、最近「刺激、強め。」と謳われているように、炭酸の刺激が強くなったような気がします。
・・いや、間違えました。 この場合「ウィルキンソンはともかく、熊スプレーはとても大事な渓流釣りのアイテムで・・」と続けるべきでした。
ともあれ。山奥の渓流にひとりで入るとき、私はこの熊スプレーを常に携帯していたわけです。
ところで話は昨夏のこと。 『山と釣りvol.2~ようこそ、源流へ。~』(地球丸刊)というムックで奥秩父の釣行記を書かせていただきました。 この一冊についてのご紹介はブログ【山と釣りVOL.2が発売となりました!】にて。
当日は、カメラマン役のI編集長とともにテントで一泊して帰ってくるという行程でした。 私はほとんど未経験の重たいザッグをしょい込むと、いつものように熊スプレーをズボンのポケットに入れました。 重い荷物になれない私を気遣って少しでも荷物を軽くすべきとI編集長は「熊スプレーなんていらないでしょ」とアドバイスをくれましたが、私はここで生きた熊こそ出会えてはいませんが、死にたての熊には出会ったことがあり(おそらくは崖からの滑落死)、リアルにその存在感を感じていたものですから、熊スプレー携帯は譲りませんでした。 「私が命の恩人になるかもしれませんよ(笑)」なんて言いながら。
携帯電波の通じない山中での一泊は緊張感もありましたが、幸いにも熊には出会わず、帰路も半分を告げるランドマークの休憩所にまで辿り着きました。 そこは「火打石」と呼ばれる巨大な一枚岩のある広場で、その岩肌には赤いスプレーで「BEAR!」と書かれていました。訳せば「熊出没注意!」といったところでしょう。 なあに大丈夫よ。こちらには最悪のときに備えて熊スプレーを携帯してるからね・・・とでも思えれば、あるいは違った結果があったかもしれません。そのときはそんなことよりも、早く腰かけて重いザックを降ろすことしか考えられませんでした。 で、よっこいしょ・・と、降ろした瞬間。 ブシューーーッ!!! ン?なんだなんだ。
きっと少々疲れてもいたのでしょう。 このとき頭に浮かんだのは、「刺激、強め。」・・なウィルキンソンでした。 そうかそうか、山道を動き回っていたから炭酸がジュワワワ~ってなってしまったんだなと。そういやノドも乾いたなと。・・で、右ポケットのウィルキンソンを取りだそうと顏を下に向けた瞬間・・ !!! そして銃で撃たれたかのような衝撃が右モモに・・。
では、なにが起こったのかを説明しましょう。
ポケットの中で暴発していたのはウィルキンソンなどではなく、熊スプレーだったのです。そもそもウィルキンソンなんて初めから買ってないし! 歩いている最中に安全ピンが外れていたのですね。そしてザックを降ろした瞬間、なぜかトリガーが引かれてしまい、ブシューッと。 不幸中の幸いは、噴射口がモモに向けられていたこと。なので顔面に直射されたわけではないんです。湧きあがった赤い硝煙のようなものをスッと吸い込んでしまったぐらい。もうひとつ幸いなのは、コンタクトレンズではなくメガネをしていたこと。これも直射をさける助けとなりました。 ですがそれでも熊スプレーはすごかった。 まず咳が止まらない。鼻水がどぼどぼと出ては止まらず、鼻腔にはワサビを刷り込まれたような刺激とケミカルな匂いがこびりつき離れない。パンツ越しに直射された太モモは真っ赤に腫れている。 カプサイシンってすごいよ。 これって、顔面直射とか、どーなんの??
思わず熊に同情しました。
同行者のI編集長は、10m以上離れた所から「だいじょぶか? だいじょぶか?」と心配しながら大笑いしていたり。。
結局、沢の水で顔を洗い洗い、残り1時間ほどの行程を涙と汗と鼻水とヨダレと頭からかぶった沢水でザブザブになりながら、なんとか帰路に着いたのでした。
いま私は熊スプレーを持ちこむリスクを測っているところです。 熊に出会ってスプレーで撃退できる確率と 誤爆して顔面直射して遭難してしまう確率。 う~ん・・
ただ、ひとつ言えることは、 熊スプレー持ってくならズボンの前ポッケだけはやめておけ! ということです。□ |
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