埼玉南部、今日は青空一杯の晴れでした。

とても気持ちが良く、川側でテレワークしておりました。

その合間に(あくまでも合間に・・)このところ気になっておりますニゴイをチェックするも、ほぼおらず。

フラフラと適当なナワバリを張っているオスが数匹、トロ場に漂っているだけでした。

このタイミングを見て、ちょっとだけ巣を掘ってみることに。

卵はみつけられませんでした。思いのほか深いのか? でもちょっとだけしか掘っていないのでなんとも言えません。

今日はそれよりも色々な(個人的な)発見がありました。

ひとつはまあいいとして、もうひとつは、まあまあセンシティブ(という使い方でいいのだろうか・・)

こちらは川で朽ち果てたマルタウグイですが、このぐらいで「ちょっと・・」となってしまう方は、この先はオススメしません・・。

さて。

そうそうに卵観察は諦めたのですが、ニゴイの産卵でひとつずっと気になっていることがありまして・・。

それは産卵行動はサケマスにとてもよく似ているのに、なぜメスは巣(産卵床)を掘らないのだろう・・ということ。

別の言い方をすると、産卵床を掘らなくても大丈夫なのはなぜなのだろう?ということです。

ひとつは昨日、上方向から産卵の瞬間を観察することで、なるほど・・と思いました。

メスよりも少し後方に位置して産卵の瞬間に体をメスに傾けていくオスの行動が、卵の流下を歩い程度防いでいるのではないか・・ということです。あとは論文にも書いてあったように思うのですが、オスメスともに身を震わせて水流を乱すことで流下を防いでいる・・ようです(もう一度、確認してみます)。

アユやマルタウグイは、オスがメスの後方で受け皿になるような行動はないかと思いますが、その代わりに集団で水流を乱すことによって、流下を防いだり受精率を上げているのかもしれませんね。

流下についてはまあいいとして、問題は卵にとって適した場所作り。具体的に言えば、砂礫の中に産み落とされた卵に十分な酸素が行き届かなければなりませんから、ある程度、水流が通るような柔らかな砂礫底になっている必要があるのではないかと思うのです。また、ノロっぽい藻類もついておらず洗われているほうがいいのではないかと。

でも、観察をする時はいつも、すでにオスのナワバリの中にあるホットスポットは、そのように周囲よりも白く洗われているんです。

こんな感じに。

口でスパスパやっているのか? 尻ビレと尾ビレの水流で洗っているのか(細かい泥や砂を流下させて砂礫底の水通しをよくする、という意味で)。

そこで少しニゴイの気持ちになって試してみることに。

藻類の生えた洗われていない砂礫底。

手を尾ビレに見立ててあおぎます。

驚いたのは、軽く振るだけで、砂礫底が結構掘れてしまうということ。

もちろん場所にもよるでしょうが、ニゴイがナワバリを作っているような所は、このように砂礫底が元々あまり締まっておらず、掘りやすい(元々水通しがすぐよくなる環境)なのかもしれません。

写真だと少しわかりづらいのですが、少しあおぐだけで、簡単に表面の藻類が洗われてしまいます(というよりも表面の石がひっくり返ってきれいな面が表になる)。そして砂や泥が煙のように流下していきます。

・・とまあ、結論は急がずにこのぐらいにしまして・・。

砂礫底をあおいで掘り掘りしていましたところ、思いがけないものを見つけました。

シジミです。

ポツンと一個。

ずいぶん黄色っぽいです。

ネットで調べてみましたところ、淡水域に多いのはマシジミ、そして最近では外来種のタイワンシジミが増えているそうで、それかもしれません。

ですが、シジミがいるなんて・・。

知らなかったことを知るのはうれしいことです。

縄文海進の時代に海だったこの周辺の高台には貝塚がとても多いのですが、貝塚の貝の大部分はヤマトシジミなんですよね。海や河口でしたから。

とりあえず3個見つけました。

ですが、これで諦めるわけにはいきません。

なにを隠そう、私は潮干狩りの達人なのです(←言いすぎです)。

いえ正直に言うと、大量のアサリの中からハマグリだけを探すコツを発見しまして、それを我が人生における三大発見のひとつとしているのですが、長くなりすぎるので、それについては過去ブログ【三大発見その1】をご参照ください。

だいたい目星はついておりまして、そこに向かう前に、こんなのも見つけました。

水生甲虫、ヒラタドロムシの幼虫です。

少しネットで調べかけましたが・・あまりの「沼」におそれを抱き、そっと閉じました・・。

ひとつ下流の瀬頭(ニゴイ産卵場)で、また3個ほど。でも密ではありません。

これだけ散発的にいるということは、どこかに固まっているはずで・・それはちょっと他にはない環境、ということなのですが・・。

向かったのはコチラです。

本流と中州で分離された分流。

つまり、ニゴイの産卵場よりももう少し流れが緩く、なおかつ砂礫ベースで砂と少しだけ泥があり、浅い場所。

流れが緩くてもしっかり砂礫が洗われる必要はあると思ったんです。

分流の入口はトロ尻から瀬頭のようになってました。

水深は5㎝ほど。砂礫は洗われているように見えます。

ここにきて驚いたのは、川底が柔らかいこと。

そして・・

やはりありました。固まって出てきますが、少し流れの当たり方が外れると、途端に出なくなります。

ちなみに三大発見その1の技も繰り出してみたのですが、不発に終わりました・・。

水がしっかり当たっていれば、こんな泥っぽい所にも結構いました。

こんな感じの泥質でも。

 

で・・10分ほどの成果はこちら。

薄く透明な足を伸ばしています。

ヒルの仲間もおりました。

 

先ほど、センシティブ・・と申しましたが、このヒルで「うぇっ・・!」となられた方は、ここで読むのをやめてください。

 

話の順序が逆になってしまいましたが、実は最初のニゴイの産卵場で、とある生き物を発見したのです。それがコチラです。

なんと水中ミミズ!!

これには結構、驚きました。

いや、イトミミズも水中に棲んでますし、もう少し大きなそれっぽのも何となく見たことはあったんです。

たとえばこんなやつですね。これでも長さは7~8㎝ほどはありましたか。

でもなんというか、水中で見るミミズってあまり動かないというか、元気がないようで「きっと水に落ちちゃったミミズなんだろうな・・」と思ってました。

ですが今回見ることができたのは、とても元気なムチムチのミミズで、砂礫底にスルスルっと元気よく潜って行ってしまうものでした。

ネットで軽く調べると、釣り餌に使うキジ(シマミミズ)が水中で飼えるという話がありました。でもまだこいつについては調べられておりません。

そうですね、太さは3mm、長さは8㎝ほどでしょうか。

大きな特徴は体に走る光沢です。

美しい・・。

なにこの艶っぽさ。

砂礫底でも、その美しさは健在。

とにかくよく光る。

マジョーラカラーのよう。

美しく光るミミズ・・といえば、過去に四国の渓流の土手で見つけたこちら。

シーボルトミミズ。光沢の美しい紫のミミズなのですが、この時はあまりの長さにただビックリしてしまい、ほとんど美しさを追求する写真を撮っておりませんでした。

色ももっときれいだったと思ったんですが。

釣り道具と比べて、この長さですから・・。

今回の水中ミミズは、シーボルトと同じぐらいの衝撃でした。

今回は3匹見つけることができたのですが、うち2匹は一瞬の気を抜いた瞬間に砂礫に潜ってしまいました。つまりそれだけ素早いということです。

ニゴイ→シジミ‥ときて。

これは新たなる「沼」の予感がしております・・。〈若林〉□

 

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